手足を失っても生えてくる!?ウーパールーパーの生態について調べてみた
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2021.04.05
投稿日:2021.04.05 更新日:2022.03.11
キリンの首は長い。
常識に思えますが、実はキリンの首は昔は短かったと言われています。
キリンの首には2つの役割があり、1つは高い場所にある食べ物を食べるため。もう1つは、武器としての役割です。
生きものが特徴的な形をしているのには、理由があります。その理由を知ると、ちょっとした豆知識として役立つかもしれません。
目次
キリンは、哺乳綱偶蹄目キリン科キリン属に分類される生きもの。偶蹄とは、ひづめの数が偶数であることを示し、牛やラクダ、ヤギの仲間です。野生のキリンは、アフリカ大陸に生息しており、アカシアなどの背の高い草木の葉や芽を食べています。
キリンには、アミメキリンやマサイキリンなど、数種類が確認されています。ただ、見た目にはわかりづらく、キリン独特の模様もほとんど同じです。キリンの網目模様は、草木に隠れるためのカモフラージュとして利用されています。
キリンのオスの背丈は約5.5m、メスは約4.5mと、陸上で最も背の高い動物です。キリンの特徴である長い首は、背丈の半分を占めています。
実は、キリンの長い首は、最初は短かったと考えられています。ダーウィンの進化論によると、個体差で生まれた首の長いキリンは、他の個体が食べられなかった高い場所の植物も食べられました。そのため、長い首のキリンが生き残り、現在のキリンの形になったと言われています。
キリンは長い首を活かして、背の高い植物を食べるため、シマウマやインパラなど、他の草食動物と食物を巡って争う必要がありません。しかし、草食動物がいない所では首を下げて低い高さの植物を食べることもあります。また 、キリンのオスとメスは背の高さが違うため、オスはより高いところにある植物を、メスはその少し下を食べて、棲み分けをしているとも言われています。[注1][注2]
キリンの長い首は、背丈の高い植物を食べるためだけに使用されるのではありません。
キリンのオスは、優劣の順位で争うときやメスを巡って争うときに、首をぶつけ合って戦います。この行動をネッキングと呼び、特に若いオスで優劣を決めるために頻繁におこなわれる儀式です。
長い首をしならせてぶつけ合うネッキングは非常に激しく、アフリカの大地に「ドスンドスン」という音が響きます。
どちらかが降参するまで続き、ときには首を骨折することもあります。キリンは首だけでも200kg近くなるといわれているため、どちらも降参しないと、ネッキングで死んでしまうことも。種を残すために、強い個体だけが生き残る自然の厳しさが垣間見えます。
普段キリンの舌は口の中に引っ込んでいるため、あまり目にすることはありませんが、実は長さが50cm近くあるのです。キリンの菜食は性別問わず、1日あたり50kg前後になるといわれており、舌を使って木の葉を舌で絡め取るようにすることで、一度に大量の葉を捕食できます。
キリンは、舌で枝を引き寄せ、犬歯を使って、葉をしごきとることで、食べたい部分だけを食べられる仕組みです。キリンの好物であるアカシアには、トゲが多くあり、普通に食べると消化管を傷つけてしまいます。しかし、キリンは舌と歯を上手く使って、トゲを避けて葉や芽だけを上手に食べているのです。[注3]
キリンは、他の偶蹄目と同様に、反すうをおこなう動物です。キリンを含めた反すう動物には胃が4つあり、1つ目と2つ目の胃で、反すうがおこなわれます。
反すうとは、食べたものを口に戻し、唾液と混ぜ合わせてよく噛んでさらに胃に戻して消化しやすくする仕組みです。
食物繊維は非常に消化されづらく、反すうを40~60回繰り返す必要があると言われています。ウシやヤギ、ラクダがもぐもぐと口を動かしているのは、この反すうで一度食べたものを吐き戻して何度も噛んでいるからです。
キリンの3つ目の胃では、反すうで細かくした食べ物をさらに小さくすり潰し、4つ目の胃で栄養を吸収しています。人間にはキリンのような胃を持たないため、野菜などの食物繊維の消化には、腸内細菌が手助けをしていますが消化しづらく、腸内を流れて排泄物を外に出すのに役立ちます。植物だけを食べているキリンと人間とでは、体内の構造がまったく違うことがわかります。[注4][注5]
[注1]動物の生態図鑑P16~17(学研)
[注2]NATIONAL GEOGRAPHIC:キリンは1種でなく4種との報告、遺伝子解析で
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/091200339/
[注3]旅探:動物園でチェックしたい!首だけじゃないキリンの「長~い」もの
https://www.homemate-research-zoo.com/useful/13978_zoo_063/
[注4]胃のサイエンス:反芻動物の胃ってどうなってるの?
https://www.i-no-science.com/column/study/study03_2.html
[注5]茨城県酪農:反芻とミルクが出るしくみ
http://www.ibarakuren.or.jp/chishiki/rakunou/hansu.html
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