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2026.04.28
投稿日:2026.04.28 更新日:2026.04.28

3月5日はサンゴの日です。サンゴって一体何者なのか、皆さんは説明できますか? 多くの方は、海の中に生えている植物という印象をお持ちなのではないでしょうか。サンゴは3月の誕生石でもあるので、石か岩なのでは? という意見を持つ方もいるでしょう。
実はサンゴは動物であり、自らご飯を食べ、卵を産んで繁殖する海の生き物なのです。しかし「海の植物・岩」という考え方も、あながち間違いではないかもしれません。
今回は、動物であり、植物のようでもあるサンゴの不思議な生態に迫ります!
サンゴと名前に付いている生物は、世界に約3,000種類存在するといわれており、そのうち造礁サンゴが800種、日本周辺だけで約400種類が確認されています。その見た目や性質によって、大きく以下の3つに分類されます。
私たちがサンゴと聞いて想像するのは、造礁サンゴと呼ばれる種類のサンゴでしょう。造礁サンゴは自らの体の下に炭酸カルシウムでできた石灰質の骨格を形成します。ポリプが分裂して増えることで、骨格も層のように積み重なっていき、長い年月をかけて巨大なサンゴ礁が作られていきます。
サンゴの体を作っているポリプが生きている部分は、サンゴ礁の表面のみです。このことから、サンゴは海の地形を作る岩としての役割も持っているといえます。
目次

まずは、サンゴがどのような生き物なのかを押さえておきましょう。先述したように、サンゴはイソギンチャクやクラゲの仲間である「刺胞(しほう)動物」に分類される海の生き物です。一般的なサンゴの基本情報は以下の通りです。
| 分布 | 世界各地の主に熱帯から亜熱帯にかけての海 |
| 体長 | ポリプ単体は数mm程度 |
| 寿命 | 数十〜数百年以上 |
| 見た目 | 岩状・テーブル状・たわし状・樹木状など多種多様 |
では、サンゴの詳しい生態を見ていきましょう。

サンゴの体は、一つの生き物から成り立っているわけではありません。サンゴは「ポリプ」と呼ばれる小さな個体が集まってできた群体です。ポリプはイソギンチャクのような見た目をしており、一つひとつに口や触手、胃腔などが備わっています。
ポリプは分裂して数を増やし、群体を作る性質を持っており、一つのサンゴには数百から数万個のポリプが集まっています。
サンゴの生態を語る上で欠かせないのが「褐虫藻(かっちゅうそう)」との共生関係です。
褐虫藻はポリプの中に住む植物プランクトンの一種で、光合成によって栄養を作り出しています。サンゴはその栄養を受け取る代わりに、安全なすみかを提供しているのです。夜は光合成をしなくなるので、ポリプは自ら触手を伸ばしてプランクトンを捕食します。
このように、動物としての側面と、植物のような側面を併せ持っているのがサンゴの特徴です。
またサンゴ自体の色は本来は透明ですが、褐虫藻が透けて見えることでさまざまな色になります。

サンゴは世界に約800種類存在するといわれており、日本周辺だけで約400種類が確認されています。その見た目や性質によって、大きく以下の3つに分類されます。
私たちがサンゴと聞いて想像するのは、造礁サンゴと呼ばれる種類のサンゴでしょう。造礁サンゴは自らの体の下に炭酸カルシウムでできた石灰質の骨格を形成します。ポリプが分裂して増えることで、骨格も層のように積み重なっていき、長い年月をかけて巨大なサンゴ礁が作られていきます。
サンゴの体を作っているポリプが生きている部分は、サンゴ礁の表面のみです。このことから、サンゴは海の地形を作る岩としての役割も持っているといえます。
サンゴは、環境に応じて有性生殖と無性生殖の2種類の繁殖方法を使い分けています。
有性生殖では、年に一度、初夏の満月の夜など特定の条件がそろったタイミングで「一斉産卵」を行います。サンゴは「バンドル」と呼ばれる卵と精子の入った袋状の塊を一斉に放出し、他の個体の卵や精子と受精します。この仕組みによって遺伝的な多様性が保たれているのです。
一方、無性生殖では、自らの体を分裂させることで自分と同じ遺伝子のクローンを増やします。同一の遺伝子だけでは、環境の変化によって全滅してしまう可能性があるため、有性生殖と併せて行う仕組みとなっているのです。
サンゴの一斉産卵は神秘的な光景として知られており、年に一度しか見られません。テレビでもよく取り上げられるので、見たことがある方もいるかもしれませんね。

サンゴは海の生き物にとっても、人間にとっても重要な役割を担っています。美しい海の景観を作り出すだけではなく、日々の暮らしも支えてくれているのです。
ここでは、サンゴが地球上で果たしている役割について見ていきましょう。
サンゴ礁は「海の熱帯林」と呼ばれており、生物多様性の宝庫として知られています。サンゴ礁が占める面積は海全体のわずか0.2%程度に過ぎませんが、そこに海洋生物の約25%が生息しているとされています。
その理由は、サンゴ礁が複雑な構造をしているためです。サンゴ礁は長い年月をかけて作られているため枝のように何通りにも分かれており、魚や甲殻類にとってのすみかや産卵場所にうってつけの構造となっています。
熱帯雨林が陸上で多くの生物を支えるのと同じように、サンゴ礁は海の生態系を支える中心的な存在となっているのですね。
サンゴ礁は、沿岸地域の安全を守る天然の防波堤としての役割も担っています。サンゴ礁は陸地や島の周りを取り囲むように形成されることが多く、比較的浅い場所にあるのが一般的です。外洋から陸に向かって押し寄せる波がサンゴ礁にぶつかると、波の力が弱まり、海岸に届く頃には穏やかになります。
このサンゴ礁の働きは、高波や津波による被害の軽減に役立っており、特に島しょ地域や沿岸部では、サンゴ礁の存在が生活の安全に直結しています。
サンゴ礁が失われてしまうと、波の影響を受けやすくなり、海岸の侵食や自然災害のリスク増加につながる可能性があるのです。
サンゴの体内にいる褐虫藻は、光合成により二酸化炭素を取り込み、酸素を排出します。サンゴが取り込む二酸化炭素の量は、陸上の森林よりも多いことが分かっています。サンゴを守ることは、結果として地球全体の環境を守ることにもつながるのです。
サンゴは現在、さまざまな要因によって深刻な危機に直面しています。よくサンゴを守る活動について報道されることがあるため、ご存じの方もいるでしょう。
サンゴは水温18度から28度の環境でしか生存できないとされており、地球温暖化によって長期間、海水温が上昇するとサンゴはストレスを受けてしまいます。こうした環境の変化によりサンゴの体内にいる褐虫藻が離れると、見た目が白くなり、光合成による栄養を得られなくなって死滅してしまいます。これを「白化現象」と呼び、深刻な状況として懸念されています。
さらに、サンゴを食べるオニヒトデの大量発生や、沖縄の土地開発によって流れ込んだ赤土・生活排水などもサンゴの成長を妨げる要因です。
白化は環境が回復すれば元に戻る場合もありますが、長期間続くと回復が難しくなります。サンゴが減少すると、生態系のバランスが崩れるだけではなく、漁業や観光にも影響が広がるでしょう。だからこそ、サンゴを守り、増やす活動が進められているのです。

サンシャイン水族館では、2006年から沖縄県恩納村と連携し、サンシャイン水族館の水槽内でサンゴを育成して沖縄の海へ戻す「サンゴ返還プロジェクト」を続けています。
また2014年からは、有性生殖を活用した「サンゴ礁再生プロジェクト」にも取り組んでいます。親サンゴを育成することで、親サンゴが産卵し、自然界でのサンゴの加入量を増やすとともに産卵によって生まれた幼生を育てることで、遺伝的な多様性を保ちながらサンゴの再生を目指す活動です。
産卵の成功や白化など、さまざまな経験を乗り越えて今年で20周年を迎えました。
サンゴプロジェクトは、水族館という身近な場所で環境問題を知るきっかけを提供し、多くの人に関心を持ってもらうという目的も担っています。
サンシャイン水族館を訪れた際は、ぜひ水槽の中のサンゴにも注目してみてください。目を凝らしてよく見てみると、小さな触手を伸ばしていたり、隙間から見たことのない生き物が顔をのぞかせたりするかもしれませんよ。
サンゴプロジェクトの詳細は、以下でご確認いただけます。
いきふぉめ~しょんでは、サンゴプロジェクトについてのインタビュー記事も公開しています。こちらもぜひチェックしてみてください。
▶『サンゴプロジェクト』ってなぁに? 『サンシャイン水族館』の中の人に聞いてみた!
▶いきものAZ コラム企画『いきものがたり』サンシャイン水族館
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