いきものAZ コラム企画『いきものがたり』 カワウソ
※こちらは過去に【いきものAZ】内で公開されたコラムです。 【いきものAZ】いきもののスペシャリストに、いきものについてのコラムを書いていただく本企画。 毎年5月の最終水曜…
2022.10.21
投稿日:2022.10.21 更新日:2023.03.15
"水族館の人気者"と聞いて思い浮かべる生き物は人それぞれ違うかと思いますが、「クラゲ」を想像する方もいらっしゃるのではないでしょうか。
大きな水槽、小さな水槽、さまざまな水槽でゆらゆらと漂うクラゲを見ている時間は、本当に癒されますよね。
クラゲの水槽を美しくライトアップしている水族館も多く、ついつい長時間水槽の前に佇んでクラゲを眺めてしまうことも。
しかし、クラゲの多くには毒があります。刺されると場合によっては死に至るケースも……!
一体、どのクラゲが特に危険なのでしょうか。
今回の記事では、「世界の危険なクラゲ」と題して、5匹のクラゲをご紹介しようと思います!
目次
クラゲとは、刺胞動物門に属する生き物(一部を除く)のうち、淡水もしくは海水中に生息している浮遊生物の総称です。
体はゼラチン質で柔らかく透明なことがほとんどですが、中にはうっとりしてしまうような美しい色合いのクラゲも。
多くの種には毒性があることも知られています。
クラゲは水の流れに身を委ねるように漂っているため、「クラゲに意思は無いの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。実はクラゲには脳がありません!
しかし、クラゲを見ているとたまに体を収縮させて前進することがあります。
脳が無いのに、一体どうやって動いているのでしょうか。
答えは、クラゲが持つとある神経にあります。
クラゲの体には脳の代わりに「散在神経」と呼ばれるものが張り巡らされており、その神経が水流などに刺激されることによって反射的に動いているのです。
例えば人間が何らかの金属に触って静電気が流れた時に、何も考えずに瞬時に手を離す時と同じようなもので、クラゲは意識して動いているのではなく、すべて反射で動いています。
クラゲに毒があることは有名ですが、どのクラゲがどれくらい危険なのかということまでご存知の方は少ないかもしれません。
そこでここからは、世界のクラゲの中でも危険度が赤信号のクラゲを5種に絞ってご紹介します!
カツオノエボシは美しい青色をしたクラゲです。
自分で泳ぐ能力は持っていないため、青色の浮袋で漂流しています。
日本でも太平洋沿岸で見かけられたり、時には砂浜に打ち上げられていたりすることも。
澄んだきれいな青色をしているため、砂浜に打ち上げられた際、青色の瓶などと勘違いして触ってしまう方もいるそうです。
しかし、「綺麗なバラには棘がある」とはよく言ったもので、カツオノエボシにも強力な毒があります。
カツオノエボシは「電気クラゲ」とも呼ばれており、刺されると激しい痛みに襲われ、アナフィラキシーショックによって死に至るケースもあるそうです。
きれいだからといって触れることは絶対にしないようにしましょう。
キロネックス・フレッケリ、通称キロネックスはかなり大型で、触手は最長で3メートルにも達することもあるクラゲです。
数ある毒クラゲの中でもトップレベルで危険度が高く、「殺人クラゲ」などというかなり物騒な異名を持っています。
キロネックスは1匹で60人をも死に至らしめるほどの毒を有しており、獲物の捕食や自己防衛を目的として触れたものに対して触手から毒針を飛ばすのが特徴です。
刺されると耐え難い痛みに襲われ、早い場合だと5分~20分で死亡するんだとか……。
中にはわずか3分で死亡した例も報告されており、かなり危険なクラゲです。
オーストラリア周辺でよく見かけられていたキロネックスですが、日本では沖縄でも目撃されることもあるようです。
イルカンジクラゲは、体長わずか1センチ弱の小さなクラゲです。
こんなに小さな体に、想像を絶する強力な毒を隠し持っています。
さまざまな見解がありますが、一説ではコブラの100倍以上の毒性を持っているとも言われているのです。
またイルカンジクラゲは触手だけではなく傘の部分にも毒があり、どこに触れても超危険。
毒性だけで言えば先ほどのキロネックに勝るとも劣りません。
キロネックスは体が大きいのでいかにも危険度が高そうですが、これほど小さなクラゲに大きなキロネックスほどの毒があるとは、驚きと同時に少しの恐怖も……。
その刺された時の痛みは、極めて強力な鎮痛作用のあるモルヒネも効かないくらい強力です。
キタユウレイクラゲは、北緯42度以北の冷たい海に生息するクラゲです。
イギリス沖でよく確認報告が挙がりますが、日本でも北海道沖などで確認されることがあるんだとか。
キタユウレイクラゲは現在確認されているクラゲの中では世界最大のクラゲで、傘の直径は1~2メートルにもなります。
高緯度に生息する個体ほど体が大きく、低緯度の海域にいる個体ほど小さいという特徴も。
1870年にアメリカのマサチューセッツ沖で発見された個体は傘の直径が2.3メートル、触手の先端までの長さが37メートルと超巨大で、世界最大のクラゲとしてギネスに登録されました。
キタユウレイクラゲの刺胞に刺されると凄まじい痛みに襲われ、健康な大人でも死に至るケースがあります。
有毒のクラゲは多くいますが、日本でもポピュラーなのがこのハブクラゲではないでしょうか。
ハブクラゲは熱帯~亜熱帯海域に生息しており、強い毒を持っていることで有名です。
日本では沖縄全域で多く見られ、5月~10月頃に発生。
カツオノエボシなども沖縄含めた太平洋沿岸で見られますが、ハブクラゲの被害者数が圧倒的に多いそうです。。
ハブクラゲのように傘が箱型をしている立方クラゲの総称はハコクラゲと言いますが、ハブクラゲ、キロネックス、イルカンジクラゲを含むハコクラゲは猛毒を持っていることが一般的で、通常、刺された場合は強い痛みに襲われ、重篤な場合だと呼吸困難や意識障害、心停止を起こして死に至ることもあります。
アトランティックシーネットルは、大西洋の河口域に生息しているクラゲです。
直径約40センチの傘から薄紅色の触手を伸ばしています。
このアトランティックシーネットルは水中ではほとんど姿が目視できず避けることも難しいため、海で遭遇してしまった場合はかなり危険。
ちなみにアトランティックシーネットルはこれまでご紹介してきたクラゲのように「死に至る」といったまでの強力な毒は有していませんが、フィリピンなどでは血管不全や単発性神経炎を起こすなどの重篤な症状も報告されています。
いきものグッズ専門ネットショップ『いきもーる』では、クラゲのグッズを販売しています!
普段使いできるものが多いため、ぜひ日常に、危険だけど美しい、クラゲの癒しを取り入れてみてください。
ここからは、『いきもーる』で絶賛販売中のクラゲグッズをご紹介します。
こちらは今回の記事で一番にご紹介した、カツオノエボシをモチーフにしたブローチです。
カツオノエボシの美しさがファンタジックなカラーで表現されています。
模様などは一点一点手描きであるため、全て一点もの。
スマートフォンにぶら下げたり、帽子やバッグに付けたり、普段使いしやすいストラップ・ブローチです。
ぜひカツオノエボシを、お出かけのお供にしてあげてください。
ミズクラゲを美しく、かつポップに表現したピアスは、身につけるだけで気分が上がりそうです。
クラゲの透明感を残しつつ箔やフレークなどの素材が散りばめられており、見ているだけでウキウキします。
18mm×20mmと小振りであるため、普段使いはもちろん、職場などにもつけていける一品です。
クラゲが漂う癒しの水槽をイメージしたネックレスです。水槽の中に漂うのは、白い傘と紫の触手のコントラストが美しいヤナギクラゲ。
手描きの作品で一点ずつ印象が異なり、自分だけのミニチュア水槽を楽しむことができます。
パーツは大きめですがシンプルなデザインであるため、さまざまなファッションに合わせられるのではないでしょうか。
ミニチュア水槽を身につけて、色んな場所へ出かけましょう!
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