いきものAZ コラム企画『いきものがたり』さかな芸人ハットリ
※こちらは過去に【いきものAZ】内で公開されたコラムです。 いきもののスペシャリストに、いきものについてのコラムを書いていただく本企画。 今回は・・・、 日本さかな検定1級…
2022.06.17
投稿日:2022.06.17 更新日:2023.03.15
両生類はイヌやネコなどと比べて、私たち人間と少し遠い存在に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、普段の生活の中で遭遇できる両生類がいます。
そう、それが「カエル」です!
カエルにはさまざまな種類が存在しますが、私たちがたまに雨の日などに目にするのは、どんなに大きくても片手では持てそうなガマガエルだったり、逆にどんなに小さくてもそこにいればはっきり「カエルだ」と判断できるサイズのアマガエルだったりしますよね。
これ以上大きいカエル、小さいカエルは想像しにくいかもしれませんが、世界には想像を絶するサイズのカエルが生息しています!
そこで今回は、「世界最大のカエル」と「世界最小のカエル」について解説!
カエル好きの方もそうでない方も、ぜひ読み進めていってください!
目次
カエルとは、両生類綱無尾目に分類される種の総称です。
通常、長い後ろ脚は畳まれていますが、移動の際は後ろ脚を使ってぴょんぴょんと飛び跳ねるようにして動くことが一般的。
生体の頭は三角形で、目は飛び出ています。
一見すると種による頭部の差はそれほど無いように見えますが、天敵対策のために毒液を流し込む鋭いトゲを持つ種や、大きい獲物を飲み込めるように顎が裂けた種など、特徴はさまざまです。
日本でも雨の日によく見られるように、多くの種は水辺で生活しています。
どんな生き物にも「最大種」がいるように、カエルにも最大種が存在します。
それがズバリ、「ゴライアスガエル」です!
ゴライアスガエルは片手では到底持てないサイズで、わかりやすく例えると小型犬くらいの大きさがあります。
こんなに大きなカエル、仮に急に目の前に現れたとしたら思わずギョッとしてしまいそうですね……。
ただ、体が大きいだけで、目はとってもつぶら。よくよく見るとかわいらしい顔をしています。
また鳴嚢(めいのう)が無く鳴き声も口笛のような「ヒュー」という非常に小さな声で、性格も臆病で繊細なんだとか。
大きさだけを見るとびっくりしてしまいますが、大きな体の優しいカエルなのでご安心ください!
ちなみにゴライアスガエルは現在絶滅危惧種に指定されており、保全活動が進められています。
先ほどゴライアスガエルは「小型犬くらい」とお伝えしましたが、具体的には大きいもので体長約32cm、四肢を伸ばした状態で約80cmにもなります!
もしかすると小型犬よりも少し大きいかも……?
体重も約3.3kgとズッシリ。
体が大きいのでその分長生きでもあり、寿命は約10~20年と言われています。
ちなみにその体の大きさがギネス世界記録にも認定されているんだとか!
2位のオオヒキガエルを引き離してダントツの大きさです。
見出しを見て驚いた方もいらっしゃるかもしれませんが、もちろん、おとぎ話のようにゴライアスガエルが水を引いて一から池を作るわけではありません。
とは言え、中には2kgほどの重さがある石を動かして水路を狭め、オタマジャクシが安全に暮らせるよう溜池を作ってしまうことはあるそうです!
その溜池の完成度も高く、浅瀬の川底から石が取り除かれ、すり鉢状に成形されていたそうですよ。
体が大きいだけではなく、知能が高い個体もいるってことですね。
「最大種」がいるということは、もちろん「最小種」も存在します。
カエルの最小種は、パプアニューギニアで発見された「Paedophryne amauensis(パエドフリン・アマウンシス)」です。
体長はなんと7.7mm!!
人間の指の爪に乗ってしまうほどの小ささです。
世界最小のカエルというだけでなく、数ある脊椎動物の中でさえ世界最小なんだとか!
ゴライアスガエルの大きさに驚いたのと同様に、パエドフリン・アマウンシスの小ささにも驚愕です。
カエルの幼体はオタマジャクシであることが一般的ですが、実はパエドフリン・アマウンシスにはオタマジャクシの段階がありません。
いわゆる成体のミニチュア版の「ホッパー」という状態で孵化します。
パエドフリン・アマウンシスが生息する熱帯雨林は湿気はあっても水が無いため、オタマジャクシの段階を失うように進化したと考えられているそうです。
それにしても、成体ですら7.7mmなのに、幼体の時はこれよりも小さいということですよね……? いったいどれほど小さいのでしょうか……。
残念ながら幼体時の大きさの情報を得ることはできませんでしたが、注視しておかなければ見失ってしまいそうな大きさであることは確かですね(成体もそうですが)!
カエルの鳴き声を連想する時、多くの方は「ケロケロ」といったような鳴き声を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、パエドフリン・アマウンシスの鳴き声は「カエルっぽくない」と話題!
パエドフリン・アマウンシスを発見した米ルイジアナ州立大学の科学者クリストファー・オースティン氏によると、「パエドフリン・アマウンシスは昆虫のように鳴く」そう。
そしてその音の大きさは「昆虫の羽音程度」なんだとか。
見た目も小さく、鳴き声も極小……「こんな何もかも小さなカエル、絶対に見つけられない!」と、担当はそれこそ何もかも放り出したくなってしまいますが、オースティン氏率いる研究チームは、この聞き覚えの無いの鳴き声に耳を澄まし、その鳴き声が聞こえる場所の落ち葉を手の平いっぱいに掴んでポリ袋に入れ、その中身をくまなく探ったそう。
オースティン氏によると、「ようやくこの小さいやつが落ち葉の上に飛び出してきた」とのことです。
パエドフリン・アマウンシスが発見されたのは熱帯雨林。
葉音などが探索を邪魔しそうですが、プロの研究チームの集中力や探求心には思わず感心してしまいます……。
巨大なカエルであるゴライアスガエル、極小のカエルであるパエドフリン・アマウンシスに興味津々の方もいらっしゃるでしょう。
ゴライアスガエルは通常、カメルーンや赤道ギニアに生息しており、日本には生息していません。
同じくパエドフリン・アマウンシスも、現在ではパプアニューギニアでの生息しか確認されていないのです。
しかし、がっくりと肩を落とすのはまだ早いです!
パエドフリン・アマウンシスは残念ながら日本での展示は行われていませんが、実はゴライアスガエルは静岡県の河津町にある体感型カエル館にて飼育展示されています!
「生でゴライアスガエルを見たい!」という方は、足を運んでみると良いかもしれませんね。
いきものグッズ専門ネットショップ『いきもーる』では、カエルのグッズを販売しています!
実用的なものからオシャレのアクセントになるものまで幅広く取り扱っているので、きっと好みのカエルグッズが見つかるはず!
ここからは、『いきもーる』で絶賛販売中のカエルグッズをご紹介します。
花を口にくわえた陽気なカエルがキックボードで駆け出すという、ほのぼのしているような、ちょっとコミカルなような、見ていると思わず笑顔になってしまうクリアファイルです。
学校やオフィスで使えば、毎日がちょっと楽しくなるかも!?
普段仕事などで使う書類を入れても良いですし、PTAや自治会の回覧板などで使うのもおすすめです。
商品はこちらから
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雨の日の主役、アマガエルがピンバッジになって登場です!
アマガエルの魅力であるしっとりツヤのある質感を出せるよう、レジンの厚みなどが工夫されているそうですよ。
とてもリアルなのに、どこかアニメーションのようなかわいらしさも醸し出ています。
バッグや帽子につければ、普段は憂鬱な雨の日の外出も楽しくなること間違いなし!
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鮮やかに色付けられた葉っぱやキノコの上で、カタツムリと一緒にくつろぐカエルが描かれているトートバッグです。
やや大きめのサイズで、B4ノートもしっかり収納!
エコバッグが欠かせなくなった今、丈夫なキャンパス地のトートバッグは重宝するはずです。
お買い物にはもちろん、普段のお出かけにもピッタリのオシャレなデザインがGood!
商品はこちらから
⇒https://sunshineaquarium-onlineshopwp.jp/shopdetail/000000002604/
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