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2021.02.02
投稿日:2021.02.02 更新日:2021.02.02
イソギンチャクは刺胞動物の仲間です。柔らかい円筒形の体の上部には、口の周囲を覆うように多数の触手が生えています。色鮮やかで美しい色合いから、海外では「Sea Anemone(海のアネモネ)」とも呼ばれています。
食性は肉食で、触手の毒によって獲物を麻痺させて捕食します。
また、植物・動物両方の特徴を持つ、複雑な遺伝子の生物であることも判明しています。
今回は、イソギンチャクの特徴や食性、クマノミとの相利共生、寿命についてなど、その生態について詳しく解説いたします。
目次
イソギンチャクは、刺胞動物門花虫綱六放サンゴ亜綱イソギンチャク目に分類される動物です。同じく刺胞動物である、サンゴやクラゲの仲間ということになります。
主な生息地は熱帯の沿岸水域です。およそ1,000種類以上のイソギンチャクが、世界中の海域に生息しています。
無脊椎動物のため柔らかく、円筒形の体の下部には足盤、口盤と呼ばれる上部には、中央の口の周りに毒を持つ触手が多数生えています。
普段はサンゴ礁や岩にぴったりくっついて、あまり動くことはありませんが、筋肉質な足盤を使って動くこともできるんですよ。時速数センチと非常にゆっくりですが、ほかのサンゴの仲間ではほとんど見られない特徴です。
イソギンチャクの主な食べ物は、小魚やエビ、動物性プランクトンなどです。
岩に定着し、毒を持つ触手を漂わせながら獲物を待ち構えます。触手に少しでも触れてしまった獲物は、触手にある「刺胞」に刺され、そこから神経系の毒を注入されます。
毒によって体が麻痺した獲物は、そのままイソギンチャクの口に運ばれ丸のみにされてしまうのです。
イソギンチャクの胃に取り込まれた餌は、体内の消化液で分解・吸収されます。消化できなかったものは、口から吐き出されます。
プランクトン性の微小な獲物は、口盤の表面にある繊毛で捉えられ、そのまま口に運ばれていきます。
クマノミは、鮮やかなオレンジ色の体に白いライン、黒いふちどりが美しい海水魚です。観賞魚として人気が高く、海外アニメ映画の主役にもなったことでも有名ですよね。
そんなクマノミは、イソギンチャクの触手の中で生活していることでも知られています。先程紹介したように、イソギンチャクの触手には、毒性を持った刺胞が備わっています。イソギンチャクの危険な触手をベッドに、クマノミはなぜ優雅に暮らしていけるのでしょうか?
それは、クマノミの体表を覆っている粘液の化学組成が、イソギンチャクの粘液と非常に似ているからです。イソギンチャクは、自分と似た化学組成を持つクマノミを外敵と認識しないため、刺胞による攻撃をしかけません。
こうしてクマノミは、イソギンチャクの触手のなかで、外敵から身を守ることができるのです。
ホスト役であるイソギンチャクにも、食べ残しの餌を分けてもらったりというメリットがあります。
また、クマノミが共生することで、成長速度や繁殖の確率が向上することも報告されています。
イソギンチャクにどれくらいの寿命があるのかは、正確に判明されていません。魚の耳石や木の年輪のような、イソギンチャクの年齢を確認するための形質が発見されていないからです。
一方で、千葉の県立博物館のHPでは、イギリスのとある博物館に70年以上生きたウメボシイソギンチャクの記録が残っていることから、長寿である可能性が高いとされています。一説では、100年以上生きる個体もいるのでは?と いう記載があったりしているので、まだ謎が多い生き物ですね。
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