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2020.07.20
投稿日:2020.07.20 更新日:2022.03.22
観賞魚として水族館やペットショップで見かけるベタ。美しい姿やケンカしやすいことは有名ですが、本当の生態はまだまだ知られていません。
本記事ではベタの生態について詳しく解説し、ベタのことがもっと好きになること間違いなしの思わぬギャップも紹介しています。まだまだあるベタの魅力と秘密に興味がある人はぜひお読みください。
目次
正式名が「ベタ・スプレンデンス」とじつは長い名前のベタ。どんな熱帯魚なのかを解説していきましょう。
日本で熱帯魚として見かけるベタは、品種改良された観賞目的の品種がメインです。
豊富なカラーと美しい尾ひれをもつ優雅な姿が特徴です。体長は5cm~7cmの個体が多いですが、種類や個体によって差があります。寿命は平均2年~3年で、飼育環境によってはもっと長く生きることもあります。
ベタは気性が荒く、オスは同じ水槽に複数匹入れると激しい縄張り争いが始まります。この争いは死ぬまで続き、その習性から和名で「闘魚」と呼ばれています。
また、ベタはジャンプが得意な魚です。最大で水面から5㎝ほどのジャンプができるため、水面が高くフタがない環境だと外に飛び出てしまうことがあるほどです。
ベタはタイのメコン川が原産地の淡水魚です。野生のベタは観賞用ベタよりも尾ひれが小さく、色も地味で黒色に青や赤が少し入っている程度です。
日本の水族館やペットショップで見かけることが多いのは「トラディショナル・ベタ」という種類です。青のグラデーションや真っ白など、種類も色合いも豊富で、鮮やかな色と長く大きな尾ひれが美しいため、観賞魚としてとても人気があります。
「ハーフムーン」「クラウンテール」などの見た目をより重視した品種もあり、コンテストで美しさが競われています。
ベタは肉食の魚です。とはいえピラニアのように人や動物は襲いません。ミジンコや小さい水生生物が主食です。
飼育環境下では口に入るものならどのようなエサでも食べます。しかし、栄養価を考えるとベタ専用のエサや、人工フードが最適です。
ベタは一度にたくさんの量を食べることができず、小さなエサを1粒ずつ食べます。もぐもぐと口を動かして食べる姿はとても愛らしいです。
闘魚という名前や激しく争う姿から、狂暴な魚と思われがちなベタ。ですが、単独で飼育している場合はとても穏やかです。大きな尾ひれを優雅にヒラヒラと揺らしながらゆったりと泳ぎ、ベタの魅力を存分に楽しませてくれます。
ベタの魅力は姿だけでなく、あまり知られていない人懐こい性格にもあります。エサをくれる人のことを覚えて、その人によく懐く個体が多いのです。水槽の前を通ると水面に近づいてくるようになるのです。
顔や指を近づけたり、少しエサを焦らしてみたりすると、ソワソワと落ち着きなく泳ぎだす姿を見せてくれることも。個体の性格にもよりますが、ほとんどのベタが人を覚えて何らかの反応をしてくれるでしょう。
激しい気性からは想像できないギャップのある姿はとても可愛く、美しい姿に加えてベタの大きな魅力です。
ペットショップやホームセンターで、小さな容器に入ったベタを見かけることがあります。あの状態でも平気なのは、ベタが持つ「ラビリンス器官」のおかげです。
ラビリンス器官はエラの上皮が変化した呼吸器官です。正しくは「上鰓(じょうさい)器官」というものですが、非常に複雑な形状をしていることからラビリンス(迷宮)の名前が付きました。
このラビリンス器官によってエラ呼吸だけでなく、空気中から酸素を得られるようになっています。つまり、ベタは魚なのに肺呼吸ができるのです!
呼吸の60%ほどはラビリンス器官をつかっているため、ときどき水面に口を出して酸素を吸う姿を見かけることがあります。もちろんエラ呼吸もできるので、環境に応じて最適な呼吸方法を取ることが可能です。
前述したラビリンス器官によって、ベタは水中の酸素量が少ない環境でも生きていけます。コップやミニサイズの容器でも生存できるのです。
しかし、生きていけるというだけで、決してベタにとってよい環境ではありません。健康を損なって寿命を縮めることもあります。
ベタの最大の魅力である美しい尾ひれも狭い容器では広がりません。長い間狭い場所にいると、尾ひれを広げる習慣を失ってしまうこともあります。
最低でも2L以上の水が入る水槽で飼育をするのがベタにとって理想的です。15cm四方程度の水槽であれば、ベタは尾ひれを広げてストレスなくゆったりと泳げるでしょう。ミニアクアリウムにも適しています。
強い水流は苦手なので、エアーポンプは入れない方がよいでしょう。ラビリンス器官のおかげで流れがなくても呼吸できます。
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