イソギンチャクって動物?植物?イソギンチャクの謎を調べてみた!
イソギンチャクは刺胞動物の仲間です。柔らかい円筒形の体の上部には、口の周囲を覆うように多数の触手が生えています。色鮮やかで美しい色合いから、海外では「Sea Anemone(海のアネモネ)」とも呼ばれ…
2019.12.13
投稿日:2019.12.13 更新日:2019.12.14
発光するいきものは世界中にたくさんいますが、そのうちの8割以上が海に生息しているんだそう。そもそも、発光する仕組みをもっているのは、発光バクテリアや魚類、昆虫などのみで、哺乳類や鳥類、爬虫類、両生類に、発光するいきものはいないんです。
そして、なんと、深海生物は8割以上が光るんだそう! つまり、深海の世界では、光らない方が少数派なんです。
では、深海生物たちが光る仕組みは? そもそもどうして発光するの? この記事では、発光する深海生物たちの生態について、徹底解説していきます!
目次
まず、深海生物を含めた、いきものの発光の仕組みについて解説していきましょう。
生物発光には、自らが発光に必要な物質を作り出す「自力発光」と、発光バクテリアを体内に住まわせることで発光する「共生発光」の2つのパターンがあります。深海生物の多くは、「自力発光」タイプです。
生物発光の基本の一つが、光の基質「ルシフェリン」と触媒の酵素「ルシフェラーゼ」という2つの物質による、ルシフェリン-ルシフェラーゼ反応。化学反応による発光現象で、「ルシフェリン」の酸化反応を、「ルシフェラーゼ」が助けることで光を発します。
ちなみに、「ルシフェリン」と「ルシフェラーゼ」はあくまで総称。厳密には、それぞれのいきもので基質や酵素が異なるので、原理は同じでも、細かい発光の仕組みはバラバラなんです。
そのため、個々のいきものの具体的な仕組みを突き止めるのはとても大変! 光る仕組みや基質・酵素が明確にわかっているいきものは、まだほとんどいないんです。また、『オワンクラゲ』など、別のメカニズムで発光するいきものもいるので、まだまだ、生物発光の謎は尽きそうにありません。
いきものが特殊な機能を持つには、それ相応の理由があります。では、深海生物たちは、なぜ発光するのでしょうか?
深海生物の発光器の位置は、眼の周り、口や頭部、突起物、腹部などさまざま。どうやら、目的によって、発光器の位置も違うようです。
深海生物たちの中には、自らの姿を隠すために発光するものがいます。姿を隠すのに光を放つなんて、矛盾しているように感じますが…。
深海でも、水深1,000m程度までは、ごくわずかに太陽の光が差し込みます。その中で泳いでいると、自身より深い位置にいるいきものに対して、自らの影で位置を知らせてしまうことに。これでは、ほかの深海生物に、食べてくれといっているようなもの。
そこで、水深200m~1,000mの間に住む深海生物たちは、腹部に発光器を持ち、差し込む光量と同じレベルの光を放つことで自分の影が浮かび上がらないようにする「カウンターイルミネーション」をおこなっているんです!
深海生物たちの発光の目的のメインは、ズバリ、捕食しやすくするため。といっても、深海生物によって、光の使い方が異なるよう。
1つ目は、発光器を照明器具として使い、自らの視界を明るくしたり、周囲を照らして獲物を探しやすくしているパターン。凶暴な顔の深海生物代表『ホウライエソ』が属する「ワニトカゲギス科」のいきものは、ほとんどが、このような光の使い方をするんです。
その、「ワニトカゲギス科」のうち、「ホテイエソ亜科」と「ホウキボシエソ亜科」に属する深海生物たちの中には、より便利な発光器を持っているものも。その代表例が、『オオクチホシエソ』です。
深海へは、波長の短い青に近い色の光しか届かないため、多くの深海生物の目は、青い光のみを感知できるようになっているんだそう。しかし、『オオクチホシエソ』は、例外的に赤い光を認識することができ、さらに、目の下にある発光器から、赤い光を発して周囲を照らしているんです。
青い光であれば、周囲を照らすとともに自らの居場所も知らせてしまうことになりますが、赤い光であれば、獲物やほかの捕食者に認識されることはありません。深海で生活するにあたって、赤い光を発する発光器はとっても便利なアイテムなんです!
2つ目は、発光器を囮にして、獲物を誘引するパターン。わかりやすいのは、『チョウチンアンコウ』の頭からぶら下がっているあれ。ちなみに、この誘引突起は、自力発光ではなく、発光バクテリアによる共生発光だそう。
また、獲物の誘引のために発光する深海生物の中には、口の中に発光器を持つものも。口の中に直接獲物をおびき寄せるなんて、大胆な作戦ですが効率的!
3つ目は、少し特殊で、発光器を使って自身を小魚に見せかけ、大きな獲物をおびき寄せるパターンです。巨大なサメより恐ろしいと言われている『ダルマザメ』が、この使い方をしています。
腹部にある発光器で、「カウンターイルミネーション」をおこなうのですが、その際に、首回りを暗いままにしておくことで、完全に姿を見えなくするのではなく、小魚の影に見せかけているそう。大型の捕食者たちが、その小魚を食べようと近づいてくると、逆に『ダルマザメ』にからだの一部を噛みちぎられるという仕組みになっているんです。『ダルマザメ』、なんという策士。
捕食者から逃げる隙をつくるために、発光を利用する深海生物もいます。
「ワニトカゲギス科」に属する深海生物の中には、強い閃光を発することができるものも。暗い深海の中で非常に明るい光を放つので、気絶してしまう捕食者もいるんだとか。
また、「ハナメイワシ科」に属する深海生物は、発光液を体外に分泌し、捕食者の目をくらませることができるそう。この、発光液を分泌するという能力は、甲殻類に多く、魚類ではなかなかレアなんです!
暗い深海では、仲間を見つけるのも困難を極めます。そこで、仲間同士のコミュニケーションに、光を利用する深海生物もいるんです。
オスメスで、発光器のサイズや位置などが異なる場合も多く、このタイプの深海生物は、パートナーを見つけるために発光を利用しているんだそう。暗くて広い深海の中で、光に惹きつけられて出会う2匹…。なんだかちょっとロマンチックじゃないですか?
深海生物グッズをたくさん取り扱ういきものグッズ専門ネットショップ「いきもーる」では、もちろん、発光する深海生物のグッズも販売中。今回は、光に関連した能力を持つ深海生物のグッズをご紹介していきます!
からだに不釣り合いなくらい大きな口が恐ろしい『フクロウナギ』ですが、この置物は、口をパカッと開けている姿がむしろかわいい! ちなみに『フクロウナギ』は、置物の横にチラッと見えている尾の先端に発光器を持ち、獲物を誘引するのに使っているんだとか。
大きく口があいているので、口の中にネックレスや指輪などを入れ、小物入れとして使うのもありです♪
深海生物グッズの定番と言っても過言ではない「しんかいさんシリーズ」のぬいぐるみの中でも、一際かわいらしい姿をしているのがこの『コブタイカ』。たしかにかわいくデフォルメされているのですが、実物もかわいいというなかなかレアな深海生物なんです!
『コブタイカ』の発光器は目の奥にあって、目がキラキラと光って見えるんだとか。一体、どういう目的で発光しているのでしょうか…?
ぬいぐるみは、イエロー、ピンク、ブラウンの3色展開で、コンパクトな手乗りサイズ。枕の隣に一匹いかがですか?
透け透けの頭部に、大きな緑色の目という、とんでもなく個性的な見た目で有名な『デメニギス』。なんと…、「カウンターイルミネーション」を見破ることができるらしいんです!
このブローチには、『デメニギス』が色鉛筆で柔らかく繊細に描かれているのですが、頭部は、実物同様透明になっています。再現度が高い! 服やバッグにつけたら、視線を集めること間違いなしです!
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