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2026.04.28
投稿日:2026.04.28 更新日:2026.04.28

毎月12日は「育児の日」です。
魚類の多くは卵を産んだら育てずに放置するため、あまり子育てのイメージとは結びつかないという方もいるでしょう。しかし、中には卵が育つまで近くで見守ったり、体の中に入れて一緒に移動したりと、さまざまな育児方法を身に付けた種類もいます。
そこで今回は、子育てをするように進化したユニークな魚類の育児方法に迫ります!
目次
先述したように、魚類の多くは卵を産んだ後に子育てをしません。その理由を以下で詳しく見ていきましょう。
魚類の多くは、卵を産んだ後に親が世話を行わない「無保護型」と呼ばれる方法で繁殖します。広い海では、親が一つひとつの卵を守ること自体が難しいという事情もあり、このような繁殖方法が多いのではないかと考えられています。
産み落とされた卵のほとんどは、他の魚や甲殻類に食べられてしまうのが一般的です。運よくふ化しても、親の助けを借りることなく自力で生き延びなければなりません。そのため、無保護型の魚類はもう一つの戦略を取っています。
魚の卵といえば、たくさんの卵が集まったイクラやタラコが思い浮かぶのではないでしょうか? 無保護型の魚の多くは、一度に数万〜数百万個もの卵を産む「多産多死」の戦略を取っています。
海には捕食者が多く、卵や仔稚魚はすぐに捕食されてしまう他、環境の変化によって生き残れない場合もあります。そのため、あらかじめ大量に産むことで子孫を残しているのです。
全体から見ると少数派ですが、魚類の中には子育てを行う種類も存在します。無保護型に比べると親の負担が大きくなりますが、その分、確実に子孫を残せる確率も高いのが特徴です。
子育てをする魚類の育児方法は、主に以下の3つに分けられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

子育てを行う魚類で最も一般的なのが「見守り型」です。主に以下の魚類が該当します。
見守り型の子育てでは、親が近くにとどまり、さまざまな行動を取って卵がふ化するのを助けます。例えば、ヒレで水を送って新鮮な酸素を供給したり、死んだ卵を取り除いたりといった行動です。
またパトロールを行い、外敵が近づくと激しく追い払うなど、常に周囲を警戒しながら世話を続けます。

卵や子どもを肌身離さずに抱えて守る「抱きかかえ型」も、子育てをする魚類の特徴的な育児方法の一つです。主に以下の魚類が挙げられます。
抱きかかえ型の子育てでは「育児嚢(いくじのう)」と呼ばれる体に付いた袋や、口の中を使い、そこに卵を入れて育てます。ふ化してからも、ある程度大きくなるまでは一緒に過ごし、十分に育った子どもたちはやがて外へ出ていきます。
この方法は一度に育てられる数が限られるものの、外敵に狙われにくく、安定して子育てをできるのが特徴です。

魚類で子育てを行うのは、雄がほとんどだといわれています。
その代表例がタツノオトシゴです。タツノオトシゴの雄のお腹には育児嚢と呼ばれる袋があり、雌がその中に卵を産み、雄が子育てをします。十分に育つと、雄の体から子どもが外へ出ていきます。まるでカンガルーのようですね。
こうした役割分担が行われている背景には、雌が卵を作る際に多くのエネルギーを使うことが関係していると考えられています。産卵後の雌の負担を減らすため、雄が育児を引き受けるのです。
「まるで雄が出産するように見える」という点でも、非常に興味深い生態といえるでしょう。

子育てをする魚類の中には、口の中で卵や子どもを守るマウスブルーダーという種類もいます。レッドゼブラシクリッドやアロワナなどがその代表です。
この方法では、親が卵や子どもを口の中に含み、外敵から保護します。また口を動かして水を循環させることで酸素を送り込み、成長を助ける役割も果たします。一定期間、安全な環境で守られるため、生存率が高くなるのが特徴です。
子育て中に親が餌を食べられないこともあり、負担が大きい育児方法です。まさに命がけの子育てといえるでしょう。

子育てをする魚類の中には、体内で子どもを育てる「妊娠型」と呼ばれる方法を取る種類もいます。主に以下の魚類が当てはまります。
多くの魚類は繁殖の際、体の外で卵と精子を受精させる体外受精を行いますが、一部の種類は体内受精を行い、母体の中で卵や子どもを育てます。妊娠型の子育てでは子どもが十分に成長した状態で生まれるため、外敵に襲われにくく、生存率が高くなるのが特徴です。
この方法は一度に産める数が少ないという側面もあります。安全性と数のバランスを取りながら、魚類はそれぞれの環境に合った繁殖方法を選んでいるのです。
魚類の子育てには、私たちの想像を超えるような多様な方法が存在します。いずれも共通しているのは、厳しい環境の中で生き残るために進化してきたという点です。
ここからは、特にユニークな子育て方法を持つ魚類をご紹介します。

魚類の中には、自ら子育てを行わず、他の生き物を利用する「托卵(たくらん)」という戦略を取る種類もいます。ムギツクやタナゴがその例です。
この種類は、他の魚の巣や二枚貝の体内に卵を産み付けます。安全な場所で無事にふ化した仔稚魚は、成長すると外へ出ていきます。
この方法は自ら育児を行わず、効率よく子孫を残せる点が特徴です。厳しい環境の中で生き残るために生まれた、多様な戦略の一つといえるでしょう。
卵を守る魚類は生物の進化の過程で何度か登場してきましたが、こうした魚類が卵を守らない状態に戻る例はほとんど見られません。その理由は、卵膜の変化にあるようです。
東京科学大学の研究によると、多くの子育てを行う魚類は卵膜を硬くする遺伝子が壊れて機能しなくなっていることが分かっています。親が卵を保護するため、卵そのものを守る機能がそれほど必要ないためです。
親が子育てをやめてしまうと、卵は外敵からの攻撃や環境の変化に耐えられず、生き残るのが難しくなります。体の仕組みそのものが変化した魚類は、元の状態へ戻れなくなるのです。
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