色鮮やかなほど危険!? 世界の美しい&おしゃれな『カエル』たち
日本で『カエル』といえば、緑色のイメージが強いですが、世界に目を向けてみると、びっくりするほど色鮮やかな『カエル』や、おしゃれな模様の『カエル』がたくさん!しかし、実は、色鮮やかな美しい『カエル』たち…
2021.10.04
投稿日:2021.10.04 更新日:2022.03.22
※こちらは過去に【いきものAZ】内で公開されたコラムです。
いきもののスペシャリストに、いきものについてのコラムを書いていただく本企画。
今回は・・・、
日本さかな検定1級の水産系芸人として活躍されている、さかな芸人ハットリさんに魚愛について語っていただきました。
うー大漁!いきものAZを魚卵(ごらん)の皆様、はじめまして!さかな芸人ハットリです!
僕は日本さかな検定1級をもち、魚の魅力を伝える水産系のピン芸人です。普段は魚の名前だけでヒットソングを歌う替え歌や、魚をテーマにしたフリップ芸を披露しており、SNSやYouTubeにアップしてい鱒(ます)。
今はご時世的に難しいのですが、水族館のイベントや漁港のお祭りなどのステージに立つことも多く、ネタを通して皆様に魚を好きになってもらい鯛(たい)です!
☆「岩手県での船上ライブ。コロナ前は日本全国さまざまな場所でネタをしてました。」
この度いきものAZさんにて計3回コラムを書かせていただくこととなりました。初回となる今回は、僕が何故さかな芸人になったのか、そしてどんな魚と出会ってきたのかを自己紹介がてらお話し鯛と思い鱒。
僕の父は山登りと渓流釣りが趣味で、僕もその影響で小さい頃からイワナやヤマメやアマゴを釣っていました。
☆「小学生の頃、ヤマメを釣って満面の笑み」
大学生の頃はスキューバダイビングにのめり込み、海水魚にも強く惹かれました。と、同時にお笑いの世界に憧れもあったため、ダイビングサークルと掛け持ちでお笑いサークルにも所属していました。
大学を卒業し、お笑いの事務所に入って1人コントや一発ギャグを披露していたもののなかなかウケをとることができず、苦し紛れにダイビングサークルの飲み会で余興でやっていた魚の替え歌を舞台で試したところ、そちらの方が反応がよかったので徐々に魚のネタのストックが増えていき鱒。
しかしオーディションに受からず仕事も増えず、ライブとバイトを繰り返す先の見えない日々に限界を感じた僕は、周りの芸人と違うことをしなければと思い、よくテレビで芸人さんが過酷な生活を送るバラエティのような企画を自主的に勝手に始めました。「夏の湘南でネタをして何人と記念撮影できるか挑戦」「1ヶ月間ひたすら北に向かって歩く」などなど。。。そして2014年の1月にはじめたのが「1ヶ月間自分で釣った魚しか食べない」という企画でした。
☆「千葉県館山の堤防で釣れたカサゴ」
チャレンジの場所に選んだのは千葉県の館山。かのさかなクンさんがお住まいの町です。館山で昼間は釣りをし、夜は居酒屋さんをまわってネタを披露、仲良くなった人に泊めてもらって台所をお借りしたり、釣り場を案内してもらったりしました。
そしてご縁が繋がりさかなクンさんにもお会いしてネタまで披露させていただきました。ここから僕はチャレンジ企画を全て「釣った魚しか食べない」縛りにしていくのです。
2015年1月スタート「1ヶ月間、築地でネタをして投げ銭代わりにもらった魚しか食べない」
☆「築地にきていた観光客の方にネタを見てもらい、投げ銭としてトレードマークのウスメバルを買っていただきました。」
2015年5月スタート「20種類釣るまで淡水魚しか食べない」
☆「ヤマメとウグイの塩焼き。ルーツとなった渓流釣りもしつつのチャレンジでした。」
2015年10月スタート「100種類釣るまで東京湾の魚しか食べない」
☆「横浜の本牧海釣り施設で粘って粘って釣れたドチザメ。感動の1匹でした。」
という風にシリーズ化し、徐々に難易度も上がっていき鱒。
そしてその集大成として2018年の4月からスタートさせ、北海道から沖縄まで日本をぐるりと一周して挑戦したのが「300種類の魚を釣るまで、自分で釣って調理した魚以外、食べないチャレンジ!」でした。
☆「お米もパンも食べずに魚と最低限の付け合わせの野菜しか食べなかったため体重が13キロも減りました。痩せただけでなく何故か目の光まで消えてい鱒。」
各地でTwitterのフォロワーさんに泊めてもらったりしながら地域地域特有のいろんな魚を釣ることができました。
北海道知床では大迫力のオオカミウオ。
☆「怪魚ハンターに人気のオオカミウオ。水族館でもよく見かける魚です。」
沖縄の石垣島では綺麗なルリスズメダイ。
☆「真っ青なルリスズメダイ。こちらも水族館のサンゴ礁水槽で見ることが多いです。」
長崎県五島列島奈留島では、フェリー乗り場で足元で3キロのクエが釣れてしまいました。
☆「まさかの超高級魚。震えが止まりませんでした。」
☆「クエのしゃぶしゃぶと兜煮。絶品だったのはいうまでもありません。」
そして最後の300種類目は南三陸の遊漁船に乗りトレードマークのウスメバルで締めることができました。達成にかかったのは216日、ほぼ7ヶ月でした。
☆「ラストは頭に本物のウスメバルを掲げました。」
こういった形で、僕はチャレンジを通して様々な魚に出会ってきました。コロナ禍でなかなか次の企画に踏み切れずにいるのですが、アイディアはたくさんあるのでネクストチャレンジをはじめた際には応援何卒よろしくお願いいたし鱒!
さて、次はチャレンジでも何度となく釣って食べてきたとある魚について少し深掘りした内容をお届けし鯛と思い鱒!
僕がダイビングに夢中だった大学生の頃、そのカッコ良さに心を奪われ、芸人になってからも釣りと調理を通して色んなことを学ばせてくれたある魚の仲間についてお話し鯛(たい)と思い鱒(ます)!
ずばりその魚はエイです!
ダイビングにハマりにハマっていた学生時代、石垣島で見たマンタや小笠原で遭遇したマダラトビエイは今でも鮮明に頭に焼きついており鱒。
そして後述するのですが、エイの中でもポピュラーな種類のアカエイを東京湾にて何度か釣って捌いて、いろんな料理にした経験もあり、エイの仲間は僕にとって数ある魚の中でも特別な存在です。
何より今年の春にサンシャイン水族館さんにて撮影した、とある動画がそれをさらに強いものにしました。
☆「ネタ中にナルトビエイくんが挨拶にきてくれました。」
サンシャイン水族館さんの大水槽にはナルトビエイやヒョウモンオトメエイなど、様々なエイの仲間が泳いでおり鱒。その水槽内にて防水性のスケッチブックを作成してエイに関する雑学を歌うという動画を撮影させていただいたのです。
動画→https://youtu.be/mjNKBaqjH5o
水族館の水槽内で防水バージョンのフリップ芸をすることは、ずっと僕の中の目標であり夢でした。それが叶った時、改めてエイに対する思いが強くなったのです。
さて、前回のコラムでもお話しした過去のチャレンジ「釣った魚しか食べないシリーズ」やライブの映像など、いろんな企画を通して僕は何度かアカエイを釣りました。
アカエイは尾鰭に強烈な毒針があり、事故が起こってしまうこともあり鱒。そのイメージが強いため、悲しいことに釣り人にはアカエイは嫌われがちです。しかし関東近辺で釣れる魚としてはトップレベルの引きの強さを持つため、専門的に狙う釣り人もいるのです。
アカエイを食べるというと驚く人もいるのですが、居酒屋で出てきて炙ってつまみにするエイヒレもアカエイをはじめとしたエイの仲間が原料です。
以前僕がアカエイを釣った時の様子をご紹介いたし鱒。
☆「東京都江東区の若洲海浜公園にて。持ち帰りやすく、食べやすいサイズです。」
胴体と両サイドのヒレを切り分け、
皮を剥くとこんなに綺麗な身をしているんです。
定番メニューとしてはムニエル、唐揚げ、煮付けといったところでしょうか。そしてみりんに漬け込んでから干せば、お馴染みのエイヒレです。
☆「炙ると香ばしさがはじけ鱒。最高のおつまみです。」
ところで皆様、世界で一番くさい食べ物って何かご存知でしょうか?
答えはシュールストレミング。スウェーデンに伝わる発酵したニシンの缶詰です。納豆のにおいの数値が400いくつからしいのですがシュールストレミングは8000を超えるとのこと。想像を絶するというか、あまり想像したくないですよね。
では二番目は?それは韓国に伝わるホンオフェ(カオリフェ)です。エイの切り身を発酵させ、アンモニアをあえて発生させる郷土料理。そのにおい数値は6000以上。アジア最強といわれており鱒。
本場ではガンギエイの仲間が使われるらしいのですが、僕はこれを釣ったアカエイで自作したことがあり鱒。
小瓶に切り身をいれて…
☆「この時点ではまだ綺麗な赤色が見られ鱒。」
10日ほど放置すると色がだいぶ変わってしまいました。
☆「ほぼ灰色。上の方に入っているのは水分を吸わせるためのキッチンペーパーです。」
実食した時のことは一生忘れないでしょう。
☆「盛り付けると見た目こそ悪くはないのですが…」
☆「口にした僕のこの表情でいろいろ察してください。」
まずそのにおいですが、もう、言葉を選ばずに正直に言い鱒。誰も掃除してない屋外の公衆トイレです。賃貸アパートで作っていいものではなかったと反省しており鱒。
そしてその食感ですが、独特のクニュっとした感覚でにおいさえなければ意外と面白いというか、嫌な感じはしませんでした。何より、ネット上で伝説のように扱われている料理を味わうことができた感動がそこにはありました。アカエイに感謝です。ただ、また作るかと聞かれると答えにはつまってしまうのですが。
ちなみにエイはサメと同じ軟骨魚類に分類され鱒が、実は軟骨魚類を発酵させる料理は世界各地にあるのです。
日本でいえば広島の内陸に伝わるワニ料理。ワニとはサメの古い言い方で、冷蔵技術が乏しかった時代の山間部でも海の魚を食べることができるということで重宝されていました。
近年400年も生きることがわかったニシオンデンザメ。ニシオンデンザメを発酵させた料理がアイスランドに伝わるハウカットルです。伝統的なお祝いの席でも振舞われるとのこと。
軟骨魚類の身には尿素が多く含まれ、死んでしばらくするとアンモニアが発生して強いにおいを放ち鱒。しかしそれによって腐敗を抑えることができ、その効用をうまく使った昔ながらの料理が全世界にあるというわけです。
サメ肉といえば臭い、というイメージを持つ人は多いですがその背景にはこういった食の歴史があったのです。実際、新鮮なサメ肉は若干独特の香りはあるものの決してひどいにおいではありません。
では最後に、近い仲間のサメとエイを見分けるポイントはどこなのか。先ほど紹介したサンシャインラグーンのネタ中の画像でお送りして、おしまいにし鯛と思い鱒。
サメのエラの配置は……あれ?テングハギちゃんが…
対してエイの場合……ちょっと、タカサゴちゃんイラストの前を…
サメなのかエイなのかややこしい仲間……いやタカサゴちゃんとヒフキアイゴちゃんたち!!
ネタ中に目の前をお魚さんが通り過ぎてしまうのは水中パフォーマンスの宿命ですね!
動画で見たほうが自然に見られるので、是非魚卵くださいませ。
食材としての魚と、生き物としての魚の面白さについてお話しできればと思い鱒(ます)!
魚は僕たちにとっていろんな意味で身近な生き物です。全国各地の海や川や池に泳いでいて、釣ったり観察したりする対象になっている。各ご家庭で簡単に金魚やメダカを買うことができ、水族館にいけば色とりどりの魚が泳いでいる。スーパーに行けば綺麗に捌かれた切り身があり、食卓には刺身や焼き魚、煮付けやフライが並び鱒。魚専門の居酒屋さんだって数えきれません。お寿司さんは皆様大好きですよね。
魚にまつわる趣味やレジャーもたくさんあり、それに応じて魚に携わるお仕事も多種多様です。
飼育や鑑賞など、生き物としての魚と触れ合う仕事で考えるなら水族館の職員さん、熱帯魚屋さん、スキューバダイビングのガイドさんなどなど。
魚を食材として考えれば漁師さん、仲卸さん、魚屋さん、板前さん。
食と触れ合いの間にあるのが釣りかもしれません。プロアングラーと呼ばれる釣り師の方、遊漁船の船長さん。
そして魚の研究者の方々。
一口に魚の仕事といってもこれだけいろんな種類があり、それぞれ皆様が魚のプロです。しかしそのお仕事の内容はどれも全く違い鱒よね。それだけ魚という生き物が僕たちにいろんな面で密接にかかわっているということだと思うんです。
以前から不思議に思っているのですが、マグロ解体ショーって冷静に考え鱈(たら)すごいことですよね。生き物の解体をお子さんを含めた皆様で見て、笑顔と拍手があふれる。これがもし、牛や豚や鶏だとどうなるでしょう…?
☆「毎年出演している立川のイベントにて。僕はマグロ解体ショーの前説を担当しており鱒。」
これこそが、魚が生き物と食材、2つの面で日本人の心に深く浸透している証ではないでしょうか?
水族館さんで魚の食の面に言及している展示を見ると僕はなんだかワクワクし鱒。
☆「北の大地の水族館さんにて。レシピまで同時に展示されており鱒。」
☆「ヨコハマおもしろ水族館さんのお寿司さんのカウンター風水槽。奥のクリスマス忘年会のチラシがジワジワき鱒ね。」
八景島シーパラダイスさんの海ファームではアジを釣ったりつかみ取りして食べる食育プログラムがあり鱒。(実は6年前海ファームでアルバイトしておりました。)
マグロの水槽が有名な葛西臨海水族園さんの食堂名物がマグロカレーだったり。
☆「葛西名物といえばこれ。僕も行くと必ず食べてい鱒。」
中には生き物を食材として見せることを残酷だと思ってしまう人もいるかもしれません。でも、僕たちが普段何気なく食べるお肉だって、育ててくれた方がいて、あやめてくれた方がいて、加工してくれた方がいて、そうして僕たちのもとにやってきているわけです。そのことを忘れず生き物を、命を食べているということを実感することが本当の意味での「いただきます」だと思うんです。
魚には食用として広く認知されているタイやアジやマグロもいれば、一般的には食用ではなく鑑賞用とされている魚もい鱒。でも意外とその線引きは曖昧です。最も身近な鑑賞魚の金魚はもとはフナの改良種で、フナは昔から甘露煮やフナ寿司で食べられてきました。水族館の人気者クマノミはスズメダイ科に分類され、スズメダイの干物は「あぶってかも」という名前で福岡で食されてい鱒。
☆「スズメダイ。クマノミやルリスズメダイのような鮮やかさはありませんが、同じ仲間です。」
前回のコラムでお話ししたエイやサメも、ダイバーに人気であると同時に古くから世界各地で食べられてきました。
☆「ホシザメのカルパッチョ。言われなければサメと気がつかない人も多いのではないでしょうか。」
近年、ウナギやマグロ、今年は特にサンマなど、我々が当たり前に食べてきた魚が減っている状況があり鱒。そんな中、食べれば美味しいのに流通しない、利用されない「未利用魚」に注目が集まってい鱒。
まとまって取れない、歩留りが悪い、鮮度落ちが早いなど、さまざまな理由で流通しない魚たちも、近年の冷蔵冷凍技術の発達などもあり見直されつつあるのです。
☆「チゴダラ、通称ドンコ。東北では好まれるものの全国的にはなかなか食べる機会がない魚ですが、肝はカワハギやアンコウに負けない美味しさです。」
もともと食用で持ち込まれたのに食べる人がいなくなり、釣りの対象としての目的のみで広まってしまったオオクチバス(ブラックバス)やブルーギル。外来種であり、駆除の声がよく上がる魚です。しかしどのみち減らすなら今改めて食用として見ることが大切なのではないでしょうか。
☆「ブラックバスのムニエル、チャンジャ、煮付け。どれも最高に美味しいです。」
☆「今まで僕が食べてきたブルーギルは100匹ほど。焼く、煮る、揚げる、調理法を選びません。」
見た目が地味に見える魚でもよく見ると予想外にヒレや細かい模様が綺麗だったり、面白い生態を持っていたり。見た目が毒々しいのに実はとっても美味しい魚がいたり。
☆「釣り人にあまり喜ばれないトラギスは天ぷらにするととても美味しいですし、背鰭が実はとっても綺麗です。」
見せてくれる表情が、与えてくれる感動がそれぞれの魚を知れば知るほど多く深く現れ鱒。そしてまた魚を好きにさせてくれるのです。
皆様も是非、もっともっといろんな魚を好きになってください。そして発見したことを僕に教えてください。
またイベントでお会いできる日々が来た時、一緒に語り合いましょう!
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