作家さんに聞いてみた!③ 深海マザー編
いきものグッズ専門ネットショップ「いきもーる」には、たくさんの個人作家さんたちのグッズがラインナップされています。 素敵ないきものグッズを生み出す作家さんたちは、一体、いきものに対してどれだけの愛を持…
2021.05.13
投稿日:2021.05.13 更新日:2022.03.22
目次
海水魚は、昔からペットとして人気のある生き物。
最近では新型コロナウイルスでの自粛も相まって、癒しを求めて海水魚を自宅に迎え入れる方も多いんだとか。特に色鮮やかな海水魚は、見ているだけでとても癒されます。
しかし、海水魚の飼育はやることが多く、意外と大変なことをご存知でしょうか?
癒しを求めて飼ってみたけど、飼育に手間がかかって面倒になってきた……なんて無責任なことにならないように、この記事では、海水魚の基本的な飼育方法や注意点をご紹介します。
海水魚を迎え入れるには、飼育アイテム選びもとても重要。
ホームセンターなどで目についたものをテキトーに買うのはNGです。
水槽ひとつ取っても、海水魚に適した大きさか否か…といった問題があります。
海水魚を飼育するにあたって最適なアイテムや注意点などをご紹介します。
海水魚を飼うのだから、水槽がなくては始まりません。
ただ、「スペースがあまり取れない」「プチアクアリウムを楽しみたい」といった理由で小さな水槽を選ぶのは絶対に避けてください。
小さい水槽は外気温の影響を受けやすく、水温が不安定。そんな小型水槽の水温を一定に保つのは至難の業なんです。
水温が安定しないと、海水魚の体力を奪ってしまい、病気になりやすくなってしまいます。
例えばクマノミのような比較的小型な海水魚の場合でも、最低30L以上入る水槽を用意することをおすすめします。
大きい水槽なら外気温の影響を受けない……なんてことはありません。
あくまで小さい水槽よりは外気温の影響をダイレクトに受けにくいというだけで、大型の水槽でも、外気温の影響を受けます。
「家で飼育できる」とアクアショップで売られている海水魚の多くは熱帯魚で、温かい海水(25~28℃)中ではじめて健康に暮らすことができます魚種によって適正水温は異なります。購入時に確認しましょう)。
冬場は水槽用(海水対応)のヒーターを用意し、水温計も常に設置しておきましょう。
ヒーターにはさまざまな出力(100Wや200Wなど)があるため、ご自宅の水槽の大きさに対応できるヒーターを用意してください。
夏場は、水温が上がり過ぎてしま場合があります。その際は、水槽用のクーラーや水面にあてるファンなどを使用しましょう。
水槽の水は、水道水をそのまま使うのは×
水道水にはカルキ(塩素)が入っていて、そのカルキは海水魚にとって有害なんです!
カルキ抜き剤を使えば、水道水からカルキを除去することが可能です。
また、バクテリア剤を使うことで、毒性の強いアンモニアを分解してくれるバクテリアを水槽に生着させることができます。
海水魚ももちろん排泄をするので、放っておくと水中のアンモニア濃度が上昇してしまいます。
アンモニア濃度が上がりにくくするサポートをしてくれるのがバクテリアです。
ちなみに、バクテリアは凸凹があるところに住み着くので、海水魚の隠れ家として海水対応アクアリウム専用の岩などを入れてあげると◎
海水魚を飼うためには、カルキ抜きした水を海水にしなければいけません。
そんな時に必須なのが、人工海水の素!
人工海水の素はネットでもアクアショップでも手軽に手に入ります。水換えのことも考慮して、多めに購入しておくといいでしょう。
水槽とは別にバケツなどを用意して、そこで海水の素をよく溶かしてから水槽に入れるようにしてください。
比重計は、人工海水の濃度を測るアイテムです。
比重の適正値は「1.023」と言われています。
濃すぎても薄すぎても海水魚に負担がかかるので、人工海水を作る時は比重計でしっかりと濃度を測るようにしましょう!
床材とは、水槽の底面に敷く砂などのこと。
海水魚におすすめなのは、「サンゴ砂」です。
海水水槽は硬度が高いアルカリ性に保つ必要がありますが、サンゴ砂を敷くことによって、簡単にアルカリ性を保つことができるのでおすすめです。
ろ過フィルターは、水槽内の汚れた海水をろ過し、きれいな海水にしてから水槽内に戻すという働きをしてくれる優れもの。
底面フィルター・外掛け式フィルター・上部式フィルター・外部式フィルター・オーバーフローシステムなど、種類もいろいろあり、水槽のサイズによっても向き不向きがあるので、もし悩んでしまう場合は、専門店で水槽の大きさや予算を伝えれば、おすすめのろ過フィルターを教えてもらえます。
エアレーションとは、お水の中でブクブクと酸素を出してくれる装置のこと。
専門店やホームセンターなどで海水魚コーナーを見てみると、水槽の端っこでブクブクと稼働しているエアレーション装置が目に入るはず。
この装置には、水中に酸素を送ってくれる役割があるんです。
海水魚はエラ呼吸であるため、水中の酸素がとても重要!
常に稼働させて、水中が酸素不足にならないように気をつけなければいけません。
水槽台は、必ず専用のものを選びましょう。
普通の棚を選んでしまうと、水槽の重さに耐えられずにグラグラ……なんてことも。
最悪、棚が崩壊して水槽がひっくり返ってしまうことも考えられるため、必ず「水槽台」と名前がついているものを用意してください。
また、照明器具は必須ではありませんが、海水魚の体内時計を整えたり、海水魚をより映えるように照らしてくれるので、あって損のないアイテムです。
照明で照らしていれば、生体の変化にもすぐ気づくことができます。
海水魚に限りませんが、魚を自宅の水槽に迎え入れるには、事前準備が必要です。
その場でパッと水を作ってパッと魚を入れてしまっては、生体にとって大きなストレスに!
初日から元気に泳いでもらうために、海水魚を水槽に迎え入れる際の注意点をご紹介します。
今までご紹介した手順で水槽の中の準備ができたら、ヒーターやろ過フィルターも動かしながら、2週間程度、水槽水を循環させましょう。
この作業で、バクテリアがある程度増殖するのを待ちます。
2週間ほど経過したら、検査キットを利用して、アンモニア濃度や亜硝酸塩濃度を測定してください。
水質に問題がなければ、海水魚を導入してOK!
ただし、次章でご紹介する「水合わせ」を必ず行ってください。
海水魚を購入すると、透明なビニール袋に入れてくれるお店がほとんど。
その袋からいきなり水槽に生体を移すことは、絶対にしないでください。
まずはビニール袋の水ごと別のバケツに海水魚を入れます。
その後、水槽の水を30~60分かけて(溢れてしまうことがあるので、時間はあくまでも目安です)、細いチューブでバケツに入れていきましょう。
生体が苦しんでいないか、ぐったりしていないかなどなど、注意深く観察してください。
その際、バケツの中にもエアレーションを忘れずに!
海水魚が元気そうであれば、ウロコなどを傷つけないように目の細かいアミですくって水槽へ移してあげましょう。
海水魚を水槽に移したところで、次に気になるのは具体的な飼育方法です。
エサのやり方や水換えの仕方をご紹介します。
まず、エサのやり方。
水槽に移した当日は、水合わせをしたとはいえ水質の変化で海水魚が敏感になっている可能性が高いので、エサは与えずに過ごさせます。
翌日から、1日に2回~数回、エサを与えても大丈夫です。
その際、必ず食べきれる量を与えるようにしましょう。
食べきれないと、残ったカスが水質を悪化させてしまいます。
最初は少しずつ与えて、生体の様子を見ながら量を調整するのがおすすめです。
海水魚をお迎えしたからには、水槽の水換えは必須です。
水槽の中のアンモニア濃度が上がってしまうと、生体にとって危険な状態に!
そうならないためにも、水を常に清潔に保つ必要があるのです。
あらかじめ水換えに必要な海水をバケツなどで作っておきましょう。
海水を作ったら、エアレーションで酸素を循環させ、酸素が豊富な海水にすることが重要です。
水温と海水の濃度(比重)を今水槽に入っている水と合うように調整した後、水槽から3分の1の水を取り出し、新たに作った海水を同量、水槽に注ぎます。
水換えの頻度は1~2週間に1回行うのが良いとされていますが、水槽のアンモニア濃度を定期的に確認し、それよりも短いスパンで水換えが必要そうであれば、行ってください。
1~2週間に1回はあくまで目安です。
一番大事なことは、「海水魚が健康に泳げる水を保つこと」なので、アンモニア濃度が0.25mg/L以上になる前に水換えを行うようにしましょう。
照明器具の点灯は、海草・サンゴの育成か海水魚の飼育メインかにもよりますが、海水魚の飼育メインであれば、1日5時間も点灯すれば十分。
夜に点灯するのではなく、昼間に点灯しましょう。
家の中は昼間でも意外と薄暗かったりするので、ライトで照らしてあげることで生体の体内時計が整います。
昼間は仕事をしていて夜しか観察できない、という方は、昼間は照明を切っておいて、帰宅したら数時間照明を点灯する、といったサイクルでもOK。
ただし、今日は昼間に点灯、明日は夜に点灯など、点灯サイクルがバラバラにならないようにだけ注意してください。
海水魚はとてもデリケートな生き物。
これまでご説明してきた基本的な飼育方法に加えて、気をつけなければいけないことがまだまだあります。
海水魚との時間を長く楽しむためにも、ぜひ実行してみてください。
ろ過は、先ほども少し触れたように、水を綺麗にして水槽に戻す装置です。
ろ過能力は高すぎて悪いことはないため、ろ過能力の高いフィルターを選ぶようにしましょう。
「オーバーフローにしてから圧倒的に海水魚が長生きするようになった!」という方も多いので、オーバーフローはおすすめですが、高価なのがたまにきず……。どうしても手が出ない、という場合は、外部フィルターがおすすめです。
独断が怖い!という場合は、専門店に問い合わせてみましょう。
海水魚は、本来大きな波の揺れのある海で暮らしています。
ある程度大きさのある水槽で水槽内全体に水流を行きわたらせるためには、水流ポンプが必須!
本来住んでいる環境により近づけてあげることで、生体が元気に泳ぎまわります。
海水魚はエラで水中の酸素を取り込みます。
水中に酸素がなければ、最悪、窒息してしまうことも…。
海水魚に気持ちよく呼吸してもらうためには、エアレーションを忘れずに設置してあげましょう。
その際、必ず水槽の大きさに対応したエアレーションを選択してください。
海水魚にとってアンモニアはとても毒性が強いものです。
それでいて生体も毎日排泄をするので、ろ過装置をつけているとはいえ、水槽のアンモニア濃度は少しずつ上昇していきます。
定期的に検査キットでアンモニア濃度を測定し、濃度が0.25mg/L以上になる前に、必ず水換えを行いましょう。
「飼育が簡単そう」「観賞していると癒されそう」という理由から、海水魚はペットとしての人気が高い生き物です。
冒頭でも触れたように、最近では新型コロナウイルスによる自粛疲れから、こうした「手軽に飼えそうなペット」に癒しを求める人も。
しかし、海水魚の飼育は一筋縄ではいかないことが、今回の記事でおわかりいただけたのではないでしょうか。
水槽内の準備・海水魚の水槽への導入・定期的な水換え・住みやすい環境作りなどなど、やることはもりだくさん。
また、この記事では触れませんでしたが、環境が悪かったり、最適な環境を整えていても個体が病弱だったりすると、さまざまな病気を発症します。
魚を診てくれる動物病院はほんの一握りですし、小型の魚だと診てくれる病院はほぼありませんので、病気の治療も、その生体を飼育し始めた人の役目。
「海水魚って意外と飼うの大変だった……」「病気になったから、自分には手に負えない」と、海に捨ててしまうなんてことは言語道断!
アクアリストのモラル低下に繋がりますし、もし外来種の魚を放流させた場合、在来の魚のほか、水生生物を捕食してしまうこともあります。
海水魚の飼育を検討している方は、その種についてよくよく研究し、最後まで責任を持って飼育できる確信を得てから飼い始めましょう。
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