生まれる前から最強!? 交尾をする魚『サメ』のバラエティ豊かな繁殖方法
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2020.11.27
投稿日:2020.11.27 更新日:2022.03.10
海洋生物のなかには、かわいい生き物や癒やし系の生き物がたくさんいる一方、思わず背筋が凍るような危険生物もいます。
なかでも「海のギャング」という異名を持つウツボは、見た目がグロテスクなうえ、鋭い歯を持っていることから、海に生息する危険生物の筆頭といわれています。
実際に海で遭遇したらギョッとしてしまいそうですが、怖い物見たさで逆に興味が湧いたので、ウツボの生態を調査してみました!今回は、知られざるウツボの生態や食事、仲良しな生き物について詳しく説明していこうと思います。
目次
まずは、ウツボの生態について、基本的な知識をチェックしてみましょう。ウツボはウナギ目ウツボ亜目ウツボ科の海水魚の総称です。
比較的暖かい地域を好むため、日本では島根県から九州にかけての日本海側や、千葉県の房総半島から九州までの太平洋側などに生息しています。
ウナギの仲間だけあって、体は細長い筒状をしていますが、サイズには個体差があり、全長40cm程度の小柄なものもあれば、4mもの巨体を持つビッグなウツボもいます。
平均的な大きさはだいたい1m前後ですが、鋭く尖った歯を持つ肉食魚で、珊瑚や岩陰、洞窟などに身を潜ませながら獲物が来るのをじっと待ち伏せています。生息海域では天敵がおらず、食物連鎖の上位に君臨していることから、「海のギャング」と呼ばれて恐れられています。
色は黄みがかったものや、茶色がかったものが多く、比較的地味な見た目をしていますが、生息地によっては一目でわかるほど派手な色合いをしている個体もいるようです。
日本でウツボと呼ばれる理由には諸説あり、長い矢を収める「靫(うつぼ)」という容れ物の形に似ているからという説もあれば、岩礁に空いた「空洞(うつほら)」に生息しているからという説もあります。
ウツボは見た目のグロテスクさとは裏腹に、意外と臆病なところがあり、不用意に近づいたり、攻撃を加えたりしなければ積極的に襲ってくることはありません。
ただし、自分より大きな生物(人間など)が近づいてくると、大きな口をガバッと開けて威嚇してきます。その状態で近づくと、指や腕などにかみついて攻撃してくるので注意が必要です。
ウツボの歯は鋭く尖っているうえ、顎の力が非常に強く、指などに食いつかれた場合は、噛みちぎられてしまうこともあります。
また、ウツボは水中に生息するいきものですが、皮膚呼吸により地上に引き上げられてもしばらく活動することが可能です。
ウツボは世界中で200種類ほど確認されていますが、中には毒を持つ種類もいます。
たとえば日本の南西諸島周辺に生息する「ドクウツボ」は、シガテラ毒と呼ばれる毒を持っています。
ウツボは四国や九州などの一部地域で唐揚げやたたきなど食用として重宝されていますが、シガテラ毒を含むドクウツボを食べると下痢や腹痛、嘔吐、不整脈、血圧低下、めまい、頭痛、麻痺など、さまざまな中毒症状に見舞われます。[注1]
特に神経症状に関しては、軽症なら1週間程度で治まりますが、重症化すると数ヵ月~1年以上症状が続くこともあるようです。死亡例はまれですが、海外では近縁種による死亡例が報告されていますので、知識のないままウツボを釣って食べるのはやめた方がよいでしょう。
[注1]厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:魚類:シガテラ毒」
肉食魚のウツボは、カニ・エビなどの甲殻類や小魚などを好んで食しますが、なかには仲良く共生しているいきものもいます。そのひとつが、クリーナーシュリンプの一種である「オトヒメエビ」です。
クリーナーシュリンプは、直訳すると「お掃除エビ」という意味で、他の生物の体表について寄生虫などを食べる習性を持っています。
インターネットでウツボ関連の動画や画像を検索すると、ぱっくりと開いたウツボの口腔内にオトヒメエビが入り込み、お掃除している様子を見ることができます。
ウツボにとって、寄生虫を取り除いてくれるオトヒメエビはありがたい存在ですので、近場にいても襲ったり、食べたりすることはほとんどないそうです。ただ、ウツボがオトヒメエビを食べている様子が確認されたこともあるようで、絶対に食べられないというわけではないようです。
同じくクリーナーシュリンプの一種であるアカシマシラヒゲエビや、同じ理由でクリーナーフィッシュと呼ばれるホンソメワケベラも、ウツボと共生しています。
ウツボは「海のギャング」という異名から、自分の身近にいるいきものは手当たり次第に食べてしまうというイメージがありますが、実際は自分の利益になるいきものとはうまく共存している賢いいきものなのです。
ウツボは食物連鎖の上位に君臨する「海のギャング」と呼ばれるだけあって、少なくとも生息域に関しては天敵と呼べる存在はいません。
ただ、日本(四国や九州など)ではウツボを食用として利用する地域もあり、たとえば鹿児島県の肝付町にある内之浦漁港では、ウツボは「きだか」と呼ばれ、1kgあたり200~300円ほどで取引されています。[注2]
獲れたウツボは唐揚げや干物、たたきなどで食されることが多く、名物料理としてウツボをふるまう店舗もあるようです。このような地域では、ウツボの天敵は自分を食する「人」であると言えそうです。
とはいえ、ウツボはシガテラ毒を含んでいることがあるため、「人」も十分注意が必要です。
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