生き物たちの尊さが滲む!「終わりは始まり展 生き物たちの終焉」に行ってみた!【後編】
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2020.10.02
投稿日:2020.10.02 更新日:2021.05.13
これまで、様々な生き物をフィーチャーしてきた『いきふぉめ〜しょん』ですが、今回の主役は、『マンボウ』です!
ゴツくて一見アンバランスに見える大きな体に、なんとも言えない表情…。ふっと力が抜けるようなユニークな見た目で大人気!
この記事では、マンボウの生態から、Webで見かけるマンボウの噂の真偽まで、気になるマンボウの秘密に迫っていきます。
目次
マンボウは、フグ目-フグ亜目-マンボウ科に属する、フグの仲間です。
マンボウの体表は、固くてカッチカチ。フグのように膨らむこともありません。
正直、フグとは似ても似つきませんよね…。
マンボウと言えば、やはり、ヒレが体の後ろ側に集約された、一見アンバランスな見た目が特徴的。
このヒレ、上にあるのが背ビレ、下にあるのが尻ビレ、そして、後ろにあるのは、尾ビレではなく舵ビレと言います。
魚類の多くは、尾ビレを動かして泳ぎますが、マンボウは、背ビレと尻ビレを左右に動かして泳ぎます。背ビレと尻ビレは、外洋を泳ぎ回るためにこんなに大きくなったんだとか。
そして、文字通り、舵びれで船が舵を切るようにクルッと方向転換をするんです。不器用そうに見えて、実は、とっても器用に泳いでいます。
さて、マンボウは、現在、5つの種類が特定されています。
マンボウ属の「マンボウ」、「ウシマンボウ」、「カクレマンボウ」、ヤリマンボウ属の「ヤリマンボウ」、クサビフグ属の「クサビフグ」です。
実は、「ウシマンボウ」は2010年に命名、「カクレマンボウ」は2017年に発見された、比較的新しい種類。マンボウの生態はまだ不明な点が多く、今も研究が進められているのです。
ちなみに、最も大型の「ウシマンボウ」で体長約3m、最も小型の「クサビフグ」ですら体長約1mになるそう。3mの「ウシマンボウ」、ちょっと見てみたいです…!
5つの種類のうち、「カクレマンボウ」以外は、全て日本近海で見ることができます。マンボウは、温帯や熱帯の海水域、つまり、暖かい海を回遊しているので、日本近海に現れるのは、夏から秋にかけてが多いですが、個体群によって冬~春にかけて見られるものもいます。
マンボウに出会えるダイビングスポットもあるようなので、野生のマンボウに出会いたい方は、時期を狙って潜ってみては?
ダイビングで出会えたり、しばしば定置網で捕獲されるマンボウですが、実は、海の浅いところにいるのはごく一部という話も。なんと、深海800mまで潜れるんだとか。すごい、すごいぞ、マンボウ!
もう一つ、マンボウのよく知られている生態が、魚類の中で最も多くの卵を持つこと。よく、3億個もの卵を持つと言われますが、正確な数字はまだわかっていません。
大量の卵を産むマンボウですが、その中で生き残って生体になるのは、2匹程度だそう。たくさん産んで、生き残る確率を上げる生存戦略の代表例です。
ちなみに、マンボウの赤ちゃんは、結構フグっぽい見た目をしています。トゲトゲがあるので、フグというより、ハリセンボンかも…?
この赤ちゃんから、あのマンボウの姿になるなんて、とっても不思議…。チャンスがあれば、ぜひ、成長過程を見てみたいです。
まだまだ多くの謎を秘めているマンボウですが、今わかっていることだけでも、見た目に反して、実は、結構すごいということがお分かりいただけたでしょうか…? 今後発表される新たな研究結果にも期待です!
Webで「マンボウ 生態」などと調べると、出てくる出てくる、マンボウは弱くて死にやすいという情報。むしろ、そういう情報を紹介するページの方が多いくらい。
しかし、これらのほとんどは、真っ赤な嘘。あるいは、多くの魚にあてはまることで、マンボウが特別弱いというわけではないそう。
ですが…、『いきもーる』担当のタカハシさんによると、マンボウは胃腸が弱いんだとか。
野生のマンボウは、クラゲ・イカなどの軟体動物や、エビなどの甲殻類、アジなどの小型の魚を食べるそうなのですが、水族館で飼育されているマンボウには、甘海老とイカのすり身を混ぜたお団子を与えているそう。※サンシャイン水族館の場合。
イメージは、海老しんじょ。普通に、人間でも食べられそうな、美味しそうなご飯…。
そしてなんと、そのすり身の中に、胃薬となる漢方を入れているそうなんです…!※サンシャイン水族館の場合。
なんかちょっと、人間じみていて、より親近感が湧きますね(笑) しかも、体調やストレスでお腹を壊すなんて、結構弱い…。
ということで、巷で噂のマンボウ最弱伝説は、ほとんどが根拠のないデタラメですが、胃腸は弱いらしいと覚えておいてください(笑)
マンボウは長期間の飼育が難しいため、展示している水族館は、そう多くはありません。
プールの中でたくさんのマンボウを飼育していた「大分県マリンカルチャーセンター」も、2018年3月末で閉園してしまっています。
実は、サンシャイン水族館は、東京都内で唯一マンボウに会える水族館なのですが、残念ながら2020年7月16日(木)から、マンボウの展示が中止に。
私も、以前何度かサンシャイン水族館のマンボウにお会いしていますが、最近会えていなくて寂しいです…。
今のところ展示再開は未定だそうですが、気長にマンボウと再会できる日を待ちたいと思います。
展示再開に関する情報は、『サンシャイン水族館』のWebサイトの「お知らせ」をご確認ください。
もちろん、『いきもーる』にも、マンボウグッズはありますよ! ここからは、いきものグッズ専門ネットショップ『いきもーる』で販売中の、おすすめマンボウグッズをご紹介していきます。
白・グレー・黒の3枚のカードを封筒に入れるとマンボウが現れる、とってもかわいいぽち袋型メッセージカードです。お年玉はもちろん、ちょっとしたお礼やプレゼントを渡すのにぴったり。
3枚もカードが入っているので、いっぱいメッセージが書けちゃいます。
互い違いに並ぶ白黒のマンボウに埋め尽くされたカードケースは、モノトーンなのに、このインパクト!
マンボウパイセン、さすがっす!
紙製ですが、耐水紙のため、カバンやポケットに入れておいても安心。名刺約50枚が収納できる大容量なのが嬉しいです。
名刺交換で出したら、相手の目に留まること間違いなし。アイスブレイクのネタに、マンボウのカードケースはいかがでしょうか?
デフォルメされたマンボウがかわいい消しゴムハンコ。もともとログブック用に作られた「お魚はんこ」なので、ダイビングでマンボウに会いに行く方のマストバイアイテムです!
もちろん、ログブックだけでなく、ちょっとしたメモやメッセージカード、手帳に押すのも◎ ハンコを押したら、中に好きな色を塗って、オリジナルカラーのマンボウに仕上げてください。
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