見たこともない生き物がいっぱい!水深200mの世界「ゾクゾク深海生物2024」に行ってみた!
深海……そこは太陽の光が届かない、暗くて冷た〜い海の奥深く。私たちがよく知っている海の世界とは全く違う環境の中で、これまたとっても変わった生き物たちが暮らしています。 深海って、どんな生き物がいるんだ…
2020.07.01
投稿日:2020.07.01 更新日:2022.03.22
「いきふぉめーしょん」編集部では、これまでも、いきものグッズ専門ネットショップ「いきもーる」でグッズ販売をしている作家さんへのインタビューを行なってきましたが、この度、新たなインタビュー企画を始動します!
その内容は、作家さんに、制作しているグッズの作り方を教えてもらおうというもの。題して、「教えて作家さん! 〇〇ってどうやって作ってるの?」。そのまんまって言わないでくださいね!(笑)
記念すべき第1弾のテーマは、真鍮(しんちゅう)アクセサリー。
『たつみ』さんに、素材の特徴や普段使用している道具、製作工程などを教えていただきました!
この記事が、新しい趣味のきっかけになるかも? 早速、インタビュースタートです!
—はじめまして! まずは、簡単に自己紹介をおねがいします!
たつみ:『たつみ』と申します。真鍮の板を糸ノコで型抜きして、ネックレスやブローチなどのアクセサリーを製作しています。
—どんな生き物をモチーフに真鍮アクセサリーを作成されているのですか?
たつみ:海の生き物中心で、深海生物が多いです。深海生物が好きなのと、形が独特で、伝わりやすいからというのもあります。
モチーフは、水族館に行ったり、図鑑を見たり、あとは、YouTubeとかを見て、作れそうなものを選んでいます。生き物の知識は…浅いですね。勉強します。
なるべく、〇〇イカとか、〇〇ウツボとか、種類ごとに作っています。ピンポイントで響くのは少数派かもしれませんが、ニッチな層にウケてもらいたいです。軟弱なので、メジャーな生き物も作っていますが(笑)
—深海生物がお好きとのことですが、好きな生き物は?
たつみ:なんだろう。深海生物だと「シーラカンス」ですかね。あと、おなかが風船みたいにふくらむから、自分より大きなエサを飲み込めるという「オニボウズギス」っていう深海魚がいて、アクセサリーを作りたくて絵を描いてみているんですが、上手く描けません。なので、結局作れていません。「シーラカンス」も作ったことはあるんですが、いまいち満足していないので、今は作っていません。結局、すごく好きなものは作れていないという…。
—「シーラカンス」も「オニボウズギス」も、どんな真鍮アクセサリーになるのかとっても気になります…!
それでは、ここからは、真鍮アクセサリー製作について伺っていきます。まず、真鍮ってどんな素材なんでしょうか?
たつみ:真鍮は、金属の中では柔らかいというか、形を形成しやすいので、アクセサリーによく使われるみたいですね。バーナーで熱すると柔らかくなって、曲げたり変形しやすく、金槌などで叩くと、硬く丈夫になるので、使いやすい金属だと思います。
時間が経つと、少しずつ酸化していって表面が黒っぽくなっていきます。ピカピカしたアクセサリーが好きな方からすると、デメリットかもしれませんが、私は、そこが真鍮の味があるところだと思っていて、アンティークっぽさを楽しみたい人にはメリットだと思います。
—たしかに、鈍い光を放つところとか、酸化による色のくすみとか、真鍮には、アンティークの雰囲気がありますよね。
次に、真鍮アクセサリーを作る際に使う道具を教えてください。普段使用している道具へのこだわりなども教えて欲しいです。
たつみ:こ、こだわり…。こだわりないです…。すいません…。
真鍮アクセサリーを作るぞ!ってなって道具を揃えたわけではないので、代用しているものもあります。プロ仕様とかでは全然ないです。
大体、普通のホームセンターや東急ハンズなどで買っています。あとは、通販。
切る用(糸ノコなど)、叩く用(金槌など)、削る用(リューターなど)、くっつける用(銀ロウやバーナーなど)、磨く用(ブラシなど)の道具など、並べてみると、結構ありますね。
道具にこだわる方は、もっとたくさんお持ちだと思います。
金槌で叩く音とかが結構大きいので、夜遅くは作業できないですね。例えば、穴を開ける作業に使う道具などを電動にすれば、もっと作業効率が上がるんでしょうが、音が出るものはご近所が気になるので、リューターは使ってますが、その他、なんとかできるものは、手動で地道にやっています。
糸ノコを使う時用の工作台というものも売っているんですが、それを知らなかったので、革を叩く時用のゴム板を左手で掴んで固定しています。ちゃんとしたものを買おうかとも思ったんですが、もうこのスタイルで手が慣れてしまったのでそのまま…。腕を痛めるので、良い子はマネしない方がいいです。
作業スペースは、そんなに必要ないです。部屋の机の上でやっています。
—もっと、特殊な機械とかが必要なのかと思ってました! ホームセンターなどで道具が揃うなら、趣味にも良さそうですね。
では、真鍮のアクセサリーの製作工程を教えてください。
たつみ:自己流なので、あくまでも私の作り方です。ちょっと前に、「ハナイカ」をイメージしてブローチを作った時の工程をご紹介します。
まず、手描きの絵をIllustratorに起こして印刷し、型紙を作ります。
次に、型紙を真鍮の板に両面テープで貼って、線に沿って糸ノコで切ります。
時間は…、これは、切る部分がたくさんあるので4,50分かかったような…。
切り終わったら裏返して、切り離したパーツを銀ロウで溶接します。タガネを使ったことがないので、線を入れたいときなどは、私は、一旦切り分けてから、またくっつけています。
それぞれ別に模様を入れることもありますが、これは、やりませんでした。
くっつけた部分が黒くなるので、汚れ落とし液に数分浸けてキレイにしてから、金槌で叩きます。叩くと硬くなるので、細かい部分が丈夫になります。これは、足の部分を少し反らせました。
次に、切り口をリューターで削って滑らかにします。
ブラシで磨いて、リューターで磨いて、研磨剤で磨いて、サビ止めもちょっとつけて。
最後に、ブローチ金具をつけたら、できあがり。
トータルでかかった時間はどのくらいだろう…。真鍮の板を切るところから、2.5~3時間くらいです。多分。
—製作工程のお話を聞いていて、とってもワクワクしました! 細かい作業が多そうですが、楽しそう!
アイテムを制作する時、どんなことを考えたり、意識したりしていますか? こだわりポイントなども教えてください。
たつみ:こ、こだ、こだわり…。思いついたイメージ通りには全然作れていないので、常に悩んでいます。
意識していること…は、なんとなく、手作りのものは強度などが弱いというイメージがあって、例えば、金具が外れやすいとか。そのあたりは、意識してしっかり留めています。
—アクセサリーを使っていて、金具が外れてしまったり、壊れてしまうことがたまにあるので、そういうのって大事だと思います!
そもそも、どうして真鍮アクセサリーを製作しようと思ったのですか?
たつみ:最初は、趣味で時計を作っていまして。教室で少し習ったことがあって。
その資材が、主に真鍮なんですが、部品やモチーフを糸ノコで切っているうちに、糸ノコの作業自体が楽しくなってきて、切ったモチーフに金具をつけたら、ブローチとしてイイ感じになるんじゃないかと思い、いくつか作って作品として出してみたら結構いい評価をいただいて。それからです。
なので作り方は自己流。後からネットで調べたりして、今も、試行錯誤中です。
—時計も作れるんですか! すごい!
アイテム製作の中で、楽しいこと、また、逆に大変なことや苦労していることはありますか?
たつみ:最初の段階の、型作りが一番苦労します。絵を描くのが。型が決まれば、あとは無心です。
あー、あと、写真が…。商品写真を撮るのが、金属って光が反射しちゃって、上手に撮れない…。素材のせいなのか、自分の腕のせいなのか。素材のせいです…!
—たしかに、光沢のあるものを撮影するのは難しいですよね。影の写り込みとかも気になりますし…!
アイテムの製作や販売をする中で、嬉しかったできごとなど、印象に残っているエピソードを教えてください。
たつみ:まだ、全然知名度は無いと思うのですが、イベントに出展すると、「知ってますよ」という方がちらほらいらっしゃるのが、もう嬉しいです。
製作自体は結構前から行っているのですが、イベントなどに出展して販売を始めてからはまだ1年ちょっとなので、他の作家さんと交流できるのも楽しいし。
あと、屋外イベントは、カメ推しのおじさんが多くて。あるイベントで、「カメはいないの?」、また別のイベントで、「カメいる?」ときたので、次のイベントに小さいカメを作って行ったら、今度は、また別の方に、「カメはこうじゃないんだよな~」と。カメ…頑張ります。
—おじさんたちのカメ愛! どんなカメなら納得してもらえるのか気になります…(笑)
それでは、ご自身のグッズの中でのイチオシを、3つ教えてください!
たつみ:1つ目は、「リーフィーシードラゴン(ネックレス)」です。糸ノコで切るのに、一番時間がかかります。なので、切る前に気合いを入れます。
メンダコを作っていて、ちょっと物足りない、もっと切りたいと思ってこれを作ってみたんですが、大変すぎました。でも、好評なので、引き続き作ります。
2つ目は、「トビイカ(ブローチ/チャーム)」。イベントでイカのお題が出て、いろいろ調べていて知りました。海の上を飛ぶらしいです。シャープでクールでカッコ良かったので作ってみましたが、シャープでクールにはできませんでした。
3つ目ですが、「ウミウシ」を作りました。最近作ったので「いきもーる」では取り扱っていませんが、頑張ったので推したい。参考は「アオウミウシ」。ウミウシの魅力は、やっぱりカラフルなところですよね。カラフルじゃないウミウシなんて、ウミウシじゃないと言われそうですが、作りたかったので作りました。カラフルじゃなくてすみません。
—たしかにカラフルじゃないですが、「ウミウシ」ですよ! 「ウミウシ」と、あと、「カメ」と、「シーラカンス」や「オニボウズギス」が「いきも〜る」のラインナップに加わるのを楽しみにしています!
真鍮のアクセサリーを購入したら、どのように保管やお手入れをすれば良いのでしょうか?
たつみ:高温多湿な場所を避けて保管してください。皮脂などが付いたままだったり、湿気のあるところに置いたままだと錆びやすくなります。できれば、少し布などで拭いてから保管していただけると良いかと思います。
あと、熱が伝わりやすいので直射日光が当たったり、高温になる場所にも置かないようにしてください。
時間が経つにつれて酸化してきて、少しずつ黒っぽくなってくるのも真鍮の味なので、そのままでお楽しみいただければと思いますが、ピカピカがお好みの場合は、アクリルなどを磨く研磨剤や、食器のつや出しクロスなどで磨くとピカピカになります。ただ、作品によっては、わざと少し酸化させて黒っぽくしているものもあり、磨いてしまうとそこの部分も落ちてしまいますので、ご注意ください。
—ありがとうございます! もう、真鍮アクセサリーの保管やお手入れに悩みません! バッチリです!
これから製作予定のグッズについて、公開可能な範囲で教えてください。
たつみ:新型コロナウイルスの影響で、イベントが軒並み中止になってしまいましたが、その分作る時間も増えたので、前向きに考えまして、鳥とか哺乳類とか、海の生き物以外のものも考えていこうかなと思ってます。他の素材とかも合わせてみたいです。革も好きなので、革とか。
—真鍮と革を組み合わせたら、カッコ良いアイテムができそうですね!
まもなくインタビューも終わりですが、真鍮アクセサリー製作に興味がある、あるいは、既に趣味で真鍮アクセサリーを製作しているという方に、アドバイスをお願いします!
たつみ:いやー、こちらが教わりたいです。そんな、アドバイスとかできる身分じゃないです。勉強します。
—なんて謙虚な…!
それでは最後に、この記事を読んでくださっている方々へ、メッセージをお願いします!
たつみ:もっといろいろ、自由自在に作れるように頑張ります。お読みいただき、ありがとうございました。
—『たつみ』さん、ありがとうございました!
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